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旭化成、農産品のサプライチェーンをブロックチェーンで管理するシステムを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年12月17日

旭化成は、農産品の流通をブロックチェーン技術を使って管理するシステムの実証実験を2020年11月から12月にかけて実施した。消費者がスマートフォンで、農産品の生産情報を確認できるシステムの提供を目指す。2020年11月27日に発表した。

 旭化成が取り組んだのは、農産品を対象にしたサプライチェーン管理システムの実証実験(図1)。消費者がスマートフォンを使って農産品の生産情報を確認できる仕組みで、提供する農産品の生産情報などが消費者の理解を高めたり、新しい購買行動につながるかを、事業化を視野に検証した。

図1:旭化成が検証したサプライチェーン管理システムの概要

 検証したシステムでは、消費者は商品に張り付けられたQRコードをスマートフォンなどで読み取れば、生産者のプロフィールや個々の生産履歴、輸送環境データ、輸送品質評価が確認できる(図2)。

図2:スマートフォンによる生産情報の確認イメージ

 実験では、農薬や化学肥料を可能な限り使用していない宮崎県綾町産の農産品を、東京都内にある大手小売のスーパーに、2020年11月21日から12月6日までに6回に分けて配送した。

 農産品のブランド価値や食の安心・安全、流通経路における輸送品質を可視化することで、農産品の販路開拓や小売業者の産地開拓、輸出拡大に貢献できるとしている。

 サプライチェーン管理システムは、ブロックチェーン技術を使った農業データ流通基盤「SMAGt」(電通国際情報サービス製)と、クラウド型生鮮品物流システム「Fresh Logiシステム」(旭化成製)を連携させて開発した。Fresh Logiの輸送環境データをSMAGtに自動で連携できるようにしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名旭化成
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題ブランド野菜などの農産品の販路開拓や小売業者の産地開拓、輸出拡大を図りたい
解決の仕組み農産品の生産者プロフィールや流通経路、輸送環境を消費者がスマートフォンで確認できるようにし購買意欲を高める
システムを構築する
推進母体/体制旭化成、電通国際情報サービス(ISID)
活用しているデータ農産品の生産履歴から出荷、流通、販売までのデータおよび農産品の輸送環境データ
採用している製品/サービス/技術クラウド型生鮮品物流システム「Fresh Logiシステム」(旭化成製)、農業データ流通基盤「SMAGt」(電通国際情報サービス製)
稼働時期2020年11月21日~12月6日(実証実験の期間)