• UseCase
  • サービス

電力販売のエナリス、P2P電力取引にトークンを活用するためのプラットフォーム連携を検証

DIGITAL X 編集部
2020年12月25日

KDDIグループで電力販売などを手掛けるエナリスは、小売り電気事業者(新電力)を対象にしたP2P電力プラットフォームの社会実装を目指し、P2P取引事業の成立要因を検証する。2020年12月4日に発表した。

 KDDIグループのエナリスは、電力販売や小売り電気事業者(新電力)向けシステムの開発などを手掛けている。今回、将来的なP2P(ピア・ツー・ピア)での電力取引スキームにおいてトークンを活用する際の課題を洗い出すための実証事業を2020年11月20日~2021年2月末まで実施する(図1)。

図1:P2Pの電力取引にトークンを活用するための実証実験の概要

 実証事業では、再生可能エネルギーによる「環境価値」への謝礼としてトークンを活用する際の課題と、現行制度に基づくP2Pの電力取引における業務上および制度上の課題を検証する。太陽光発電による余剰電力を高値で買い取る「FIT価格」の適用を外れる「「卒FIT電力」に含まれる環境価値と太陽光発電の自家消費分の環境価値が対象だ。

 さらに、調達が容易なFIT電源ではなく、非FIT電源から環境価値が付与された電力を調達し再生エネルギー価値を求める「RE100企業」へ供給するスキームも検証する。

 この実証事業は、東京都の「令和2年度 次世代電力システムにおけるP2P電力取引プラットフォーム構築実証事業」の一環としてエナリスが、auフィナンシャルホールディングス、auペイメント、ディーカレットとともに実施する。

 エナリスが、非FIT電源から環境価値が含まれた電力を調達し、RE100企業へ電力とともに環境価値を供給する。auペイメントが実証用に発行する環境価値トークンをエナリスがRE100企業に配布する。RE100企業は、再生エネルギーの環境価値に対する謝礼として環境価値トークンをエナリスに譲渡。エナリスはトークンを「auPAY」に換金し非FIT電源に渡す。

 トークンは、エナリスのブロックチェーン技術を使ったP2P電力プラットフォームが管理する電力取引結果に基づき、Fintechのディーカレットが運用する「ブロックチェーン上でデジタル通過を発行・管理するプラットフォーム」で発行・管理する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名エナリス
業種サービス
地域東京都千代田区(本社)
課題FIT制度の対象外になった電力の環境価値を流通させるために謝礼としてのトークンを活用したい
解決の仕組みP2P電力プラットフォームが管理する電力取引結果に基づき、トークンを発行する
推進母体/体制エナリス、auフィナンシャルホールディングス、auペイメント、ディーカレット
活用しているデータ電力取引に関する情報、環境価値トークンの発行・譲渡に関する情報
採用している製品/サービス/技術ブロックチェーン技術を使ったP2Pの電力取引管理プラットフォーム」(エナリス製)、ブロックチェーン技術を使ってデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」(ディーカレット製)
稼働時期2020年11月20日~2021年2月末(実証事業の実施時期)