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YKK、緑地のCO2吸収量をリアルタイムに可視化する仕組みを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年1月5日
YKKの黒部事業所(富山県黒部市)では「ふるさとの森」を整備している

YKKが緑地におけるCO2の吸収量をリアルタイムに可視化する実証実験を開始している。農業用のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを活用し、温室効果ガスの排出量の削減につなげたい考え。2020年12月14日に発表した。

 YKKが実証しているのは、芝生や森林などの緑地におけるCO2の吸収量をリアルタイムに可視化する仕組み。気象データと各種センサーで取得する地中温度などに独自のアルゴリズムを組み合わせることで、当日から8日後までのCO2吸収量を推定し、可視化する(図1)。

図1:YKKが実証する「e-kakashi」を使ったCO2吸収量推定システムのモニター画面の例

 実験は、YKKの黒部事業所(富山県黒部市)内にある「YKKセンターパーク」に整備する「ふるさとの森」おいて、2020年11月から2021年3月末まで実施する(図2)センターパークに農業用IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みである「e-kakashi」(ソフトバンク製)を2セット設置し、システムの精度や有用性を検証する。

図2:YKKが富山県黒部市に整備する「YKKセンターパーク」の様子(左)と設置した「e-kakashi」の外観

 ふるさとの森は、森の中の工場実現を目指す取り組み。黒部に原生する樹木の種子から育てた20種類2万本の苗木を計画的に植樹し、森が変遷する様子を樹高の計測や生物調査などにより観察している。

 またYKKは、グループ環境ビジョンにおいて温室効果ガス排出の削減目標に設定している。今回の実証実験で可視化したデータは、ふるさとの森作りの成果測定や環境学習プログラムに採用するほか、世界中で展開している緑化活動に活用していく。

 CO2吸収量を把握するシステムは、ソフトバンクがe-kakashiの技術や環境データに関する知見を生かして開発した。各社の環境経営を支援するためのサービスとしての提供を検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名YKK
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題温室効果ガスの排出量を削減したい
解決の仕組み緑地におけるCO2吸収量をIoTセンサーとAIを使って可視化する
推進母体/体制YKK、ソフトバンク
活用しているデータ気象データ、地中温度などの環境データ
採用している製品/サービス/技術CO2吸収量推定システム(ソフトバンク製)
稼働時期2020年11月~2021年3月末(実証実験の期間)