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東京都八丈町、“スマートアイランド”の一環で土砂災害や増水のモニタリングを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年1月6日

東京都八丈町は、防災のためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムの実証実験を2020年12月から始めている。応用地質、日本工営、みずほ銀行などと共同で実施する。2020年12月17日に発表した。

 東京都八丈町が実験しているのは、土砂災害や増水の状況をモニタリングするための防災IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組み(図1)。IoTセンサーで得たモニタリングデータをクラウドで集約し、事前に設定した安全基準を超えるとアラート情報を関係者に発信する。災害発生前後の警戒パトロールや、住民・観光客の避難誘導に対するアラート情報の有効性を検証する。

図1:防災IoTによるモニタリングデータの管理画面の例

 実験では八丈島内に、応用地質が開発した土砂災害の発生を検知するIoTセンサー「クリノポール」と、冠水や水路の増水を検知するIoTセンサー「冠すいっち」を設置する(図2)。検証結果を基に、日本工営が防災対策やまちづくりに対するコンサルティングを実施する。

図2:土砂災害を検知する「クリノポール」(左)と増水を検知する「冠すいっち」

 八丈町のある八丈島は、年間降水量が3000mm程度と雨が多いうえ、火山由来の複雑な地形と地質条件から土砂災害の潜在的な危険個所が多数存在している。離島のため災害時には、島内の人員や物資のみで対応する必要があるため、島内の状況を迅速に把握し災害対応のリードタイムを確保することが課題になっている。 八丈町は現在、島内の暮らしをデジタル技術を使って価値を高める“スマートアイランド”化に取り組んでいる(図3)。今回の防災IoTの実証実験は、その一環だ。

図3:八丈町が取り組むスマートアイランドのイメージ

 スマートアイランドに向けては、2020年8月に八丈町と八丈町商工会、みずほ銀行が「キャッシュレス化推進に関する包括協定」を締結し、キャッシュレス化に向けた取り組みを開始。さらにみずほ銀行とみずほ情報総研、Blue Labが次世代金融モデルの創造に取り組んでいる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京都八丈町
業種公共
地域東京都八丈町
課題災害時に島内の状況を迅速に把握し、災害対応のリードタイムを確保したい
解決の仕組み土砂災害の発生をおよび冠水や水路の増水を検知するIoTセンサーを設置し、安全基準を超えた際にアラート情報を関係者に発信する
推進母体/体制東京都八丈町、応用地質、日本工営、みずほ銀行、みずほ情報総研、Blue Lab
活用しているデータ土砂災害および増水に関する情報
採用している製品/サービス/技術IoTセンサー「クリノポール」および冠水や水路の増水を検知するIoTセンサー「冠すいっち」(いずれも応用地質製)
稼働時期2020年12月(実証実験の開始時期)