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インドネシアのマカッサル市、渋滞緩和に向けて交通ビッグデータを活用

DIGITAL X 編集部
2021年1月7日

インドネシア南スラウェシ州のマカッサル市は、渋滞緩和に向けて交通ビッグデータを活用する実証実験を2021年春に開始する。実験に参画する日本工営とスマートドライブが2020年12月21日に発表した。

 東インドネシアの中心都市であるマカッサル市(南スラウェシ州)が2021年春、市内の渋滞緩和を目的に、クルマや人の移動データを分析し、迂回情報や渋滞情報、目的地までの所要時間を提供する仕組みの実証実験を開始する(図1)。2022年の事業開始が目標だ。

図1:マカッサル市の交通渋滞解消に向けた実証実験の概要

 マカッサル市の人口は140万人。通勤・通学の時間帯を中心とした交通渋滞が日常化しており、その解消が重要課題の1つになっている。交通ビッグデータを活用し交通渋滞の抜本的な解決を図るとともに、スマートシティを推進するための施策立案に役立てる考え。

 実験で利用する交通ビッグデータは、(1)車両の位置情報、(2)時間別/道路区間別の交通量と旅行速度情報、(3)加工された起終データ、道路区間別および時間別の交通状況、(4)リアルタイムVMS(可変表示板)表示画面およびデータ統計化、(5)リアルタイム交通情報(迂回情報、VMS設置個所からの旅行時間情報、道路交通情報、交通関連イベント情報天候、路面情報など)などである。

 携帯電話や車両のGPS(全地球測位システム)情報をもとにしたマカッサル市の交通ビッグデータの収集・解析はスマートドライブが担当。その解析データから渋滞個所を特定し、交通状況の可視化および渋滞を緩和するルート選定などは日本工営が担当する(図2)。道路使用者に情報を提供するためのVMSに関しては名古屋電機工業がアドバイスする。

図2:マカッサル市の実証実験におけるスマートドライブと日本工営の役割
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名インドネシア南スラウェシ州マカッサル市
業種公共
地域インドネシア南スラウェシ州マカッサル市
課題日常化している交通渋滞を解消したい
解決の仕組み交通ビッグデータを収集・解析し渋滞個所を特定し、渋滞を緩和する迂回路情報などを提供する
推進母体/体制マカッサル市、日本工営、スマートドライブ、名古屋電機工業
活用しているデータ人や車両の位置や交通量など
採用している製品/サービス/技術人や車両の現在地などを収集・分析する技術(スマートドライブ)、迂回のためのルート選定技術(日本工営)、可変表示板(VMS)/名古屋電機工業製
稼働時期2021年春(実証実験の開始時期。2022年の事業化を目指す)