• UseCase
  • 公共

北海道富良野市、除排雪作業へのIoT活用を実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年1月14日

北海道富良野市が、除排雪作業の効率を高めるためにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを活用する実証実験を実施している。除排雪車両の走行データや天候データなどを分析・可視化を図る。データ分析基盤を提供する日本オラクルが2020年12月23日に発表した。

 北海道富良野市が取り組むのは除排雪作業の可視化だ。6台の除排雪車両にGPS(全地球測位システム)機能を持つIoT(Internet of Things:モノのインターネット)端末を搭載し、車両の走行データおよび職員の業務記録をリアルタイムに収集し、地図上やグラフ形式で表示する。

 富良野市の年間積雪量は過去5年平均で550cmを超えている。除排雪作業に対する市民のニーズが高い一方で、除排雪作業の経験を持つ人材が少なくなっている。また除排雪作業は通勤・通学に支障のないよう早朝からの短時間で実施する必要があるため、より効率的な作業が求められている。

 そのためにIoTデータを活用する実証実験をTIS北海道と共同で2020年12月から2021年1月まで実施する。実験で収集したデータに外部データを組み合わせて分析し、結果を除排雪作業の効率化に生かしたい考え。

 具体的には、作業データに、市民からの問い合わせや気象データ、パトロールカーの出動記録、過去の業務実績などを合わせ、相関的かつ総合的に分析することで最適な走行ルートを割り出し、作業時間および作業コストの削減につなげる。

 実証実験で得られた成果をもとに他地域との連携を強化し、除排雪作業のさらなる効率化を図る。併せて、ゴミ収集車など他の業務車両の運用効率を高めるための応用も目指す。

 実験データの分析ツールには「Oracle Autonomous Data Warehouse」(米オラクル製)を、可視化ツールには「Oracle Analytics Cloud」(同)をそれぞれ採用した。実証実験の実施を決めてから1カ月でデータ分析基盤を構築できたとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名北海道富良野市
業種公共
地域北海道富良野市
課題除排雪作業の効率を高めたい
解決の仕組み除排雪車両の走行データなどから最適な走行ルートを割り出す
推進母体/体制北海道富良野市、TIS北海道、日本オラクル
活用しているデータ車両の走行データおよび職員の業務記録、市民からの問い合わせ、気象データ、パトロールカーの出動記録、過去の業務実績など
採用している製品/サービス/技術データ分析ツール「Oracle Autonomous Data Warehouse」および可視化ツール「Oracle Analytics Cloud」(いずれも米Oracle製)
稼働時期2020年12月~2021年1月(実証実験の期間)