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明電舎、メンテナンス作業者のトレーニングにAR技術を活用

DIGITAL X 編集部
2021年1月14日

明電舎は、非常用発電装置のメンテナンスを担当する作業者を対象にしたトレーニングシステムにAR(拡張現実)技術を採用した。メンテナンスの技術やノウハウの継承および多能工化への対応を図る。トレーニングシステムを提供した電通国際情報サービス(ISID)が2020年12月24日に発表した。

 明電舎は、メンテナンス作業者の技術力向上に向けて、ICT(情報通信技術)を活用した体感型の技術研修センター「Manabi-ya」を2020年10月5日に開設した(写真1)。Manabi-yaで実施するトレーニングプログラムの1つとしてAR(拡張現実)技術を活用した体感型トレーニングシステム「AR教育システム」を設計し構築した。

写真1:明電舎の体感型技術研修センター「Manabi-ya」

 AR教育システムを使ったトレーニングの受講者は、トレーニングのシナリオをAR空間で実行し、メンテナンス手法を学習する(写真2)。熟練作業者の手や視線の動き、音声などが提供され、メンテナンスの正しい手順を学べるという。

写真2:AR(拡張現実)技術によりガイダンス手順を進める様子(左)と、矢印とテキストでメンテナンス個所を表示する様子

 システムは、(1)バーチャルアセット、(2)バーチャルタッチ、(3)リアルセットなどのツールからなる。バーチャルアセットが体感型のトレーニングツールで、ヘッドマウントディスプレイの「HoloLens2」(米Microsoft製)と3D(3次元)ゲームの開発基盤「Unity」(米ユニティ・テクノロジー製)を使い、電通国際情報サービス(ISID)が制作を担当した。

 バーチャルアセットでは、現実空間の指定された場所にHoloLens2を通じて対話型で操作できる非常用発電装置の3Dモデルが表示され、テキストや音声などを組み合わせたトレーニングシナリオを再生する。

 明電舎は今後、社内利用だけでなく、顧客へのサービス提供を視野にバーチャルアセットを運用・展開する予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名明電舎
業種製造
地域静岡県沼津市(体感型技術研修センター「Manabi-ya」)
課題メンテナンスのための技術・ノウハウを継承したい
解決の仕組みAR(拡張現実)技術を使い熟練者の手や視線の動きを再現し、対話型でメンテナンス手法を学べるようにする
推進母体/体制明電舎、電通国際情報サービス(SID)
活用しているデータ非常用発電装置をメンテナンスする熟練者の動きなど
採用している製品/サービス/技術ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens2」(米Microsoft製)、3Dゲーム開発基盤「Unity」(米ユニティ・テクノロジー製)
稼働時期2020年10月(技術研修センター「Manabi-ya」の開設時期)