• UseCase
  • 公共

長野県茅野市、乗り合い型オンデマンドタクシーを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年1月15日

長野県茅野市が乗り合い型のオンデマンドタクシーの実証実験に取り組んでいる。通学時間に合わせたバスも運行し、通学や通院の移動を容易にすることで送迎に伴う家族の負担軽減も図る。2020年12月7日に発表している。

 長野県茅野市が取り組むんでいるのは、オンデマンドで運行する乗り合い型タクシーの実証実験(図1)。新たな公共交通システムとしてのMaaS(Mobility as a Service)の実用性を2020年12月7日から2021年5月31日にかけて検証する。併せて、通学時間に合わせた通学バスも実証運行する。

図1:長野県茅野市が実証する乗り合いオンデマンドタクシーの運行エリア

 茅野市では、自家用車による移動比率が高い。だが、高齢者の免許返納や仕事中は親の通院・介護のための送迎はできないなどの課題が顕在化している。今回の実証実験では、こうした課題の解決を図るために、AI(人工知能)技術を使ったオンデマンド交通を導入し、ハブ&スポーク型の地域交通体系への転換を進める方針だ。

 乗り合いのオンデマンドタクシーは、乗車予約用のスマートフォンアプリ「のらざあ」、または電話から配車を予約する。オンデマンドタクシーの運行エリア内なら、どこでも乗り降りできる。グループ乗車や65歳以上の高齢者は料金が割り引かれる(表1)。利用には事前の利用者登録が必要だ。

表1:オンデマンドタクシーの利用料金
距離スマホ予約電話予約
3キロ未満300円400円
3キロ以上5キロ未満500円700円
5キロ以上700円1000円

 一方、通学バスの実証運行では、通学時間帯に運行されている電車のダイヤに合わせたバスを朝と夕方に4便ずつ運行する。学生を送迎する親の負担軽減と道路交通渋滞の解消につなげる。料金は年齢を問わず1乗車につき150円。

 本実証実験では、茅野市がプロジェクト全体を統括。オンデマンド交通システムは、オンデマンドシャトルサービスなどを手掛ける米Viaの日本法人であるVia Mobility Japanが、配車予約のためのコールセンターは、プライムアシスタンスが提供する。交通システムの運用成果を高めるための分析を損保ジャパンが担当する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名長野県茅野市
業種公共
地域長野県茅野市
課題高齢者の免許返納および仕事中に親の通院・介護の送迎ができないなど、少子高齢化に伴う交通課題を解決したい
解決の仕組み乗り合い型のオンデマンドタクシーや電車のダイヤに合わせた通学バスを運行し、ハブ&スポーク型の地域交通体系に転換する
推進母体/体制長野県茅野市
活用しているデータタクシーの予約情報などオンデマンドタクシーの運行に関する情報
採用している製品/サービス/技術AIを使った配車技術、配車予約アプリ「のらざあ」
稼働時期2020年12月7日〜2021年5月31日(実証実験期間)