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みずほ銀行、物流の輸配送代金の早期資金化に向けたブロックチェーン技術を実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年1月18日

みずほ銀行は、物流業界における輸配送代金の早期資金化を実現するためにブロックチェーン技術を使った仕組みの実証実験を日立製作所らと共同で2021年1月から開始する。金流・商流・物流の一体管理を実現したい考え。2020年12月28日に発表した。

 みずほ銀行らが取り組むのは、物流業界の輸配送代金の早期資金化を実現するための実証実験(図1)。ブロックチェーン技術を使い、金流・商流・物流を一元的に管理できるようにする。みずほフィナンシャルグループ、みずほ情報総研、日立製作所、およびインキュベーターのBlue Labと共同で実施する。

図1:実証実験の概要

 目指すのは、ブロックチェーン技術を使うことでリアルタイムな真正性を確保した取引情報に基づくサプライチェーンファイナンスの実現だ。物流データと連携したファイナンスを提供することで、物流企業の資金繰りの改善、運転資金確保が可能になるとする。新たなファイナンス決済スキームを金融付加価値として提供したい考えである(図2)。

図2:サプライチェーン決済プラットフォーム

 物流業界は、ドライバー不足や労働環境の整備、煩雑な帳票管理などの課題を抱えている。そこに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を背景に、運送会社の資金繰りが喫緊の課題になった。そのためアナログ中心の見積もりや受発注管理、配車・運行管理、請求管理などの業務をデジタル化する気運が高まっている。

 実証実験には、関東圏の物流企業の営業所と運送会社が参加する。実証用システムを使い、発注、納品、支払いに関わるやり取りをPCやスマートフォン上から実行するなど、業務フローのイメージを具体化するとともに、その受容性を検証。運送会社に対するアンケートやインタビューによるニーズ調査も実施する。

 みずほグループは現在、日立のクラウド基盤「Lumada」を使って、サプライチェーン決済プラットフォームの開発を進めている。今後は、新たなファイナンス決済スキームの確立に向け、技術的側面および法律・会計などに関する整理を進める(図3)。物流以外への業種への展開を視野にビジネス化に向けた検証を実施し、2021年度内のサービス開始を目指す。

図3:みずほグループが開発を進める新たなファイナンス決済スキーム
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名みずほフィナンシャルグループ
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題物流業界が抱えるドライバー不足や労働環境の整備、煩雑な帳票管理などの課題と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を背景にした運送会社の資金繰りの課題を解決したい
解決の仕組みブロックチェーン技術を使って真正性を確保した情報に基づくサプライチェーンファイナンスを実現する
推進母体/体制みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、みずほ情報総研、日立製作所、Blue Lab
活用しているデータ輸送業務における発注、納品、支払いに関する情報
採用している製品/サービス/技術ブロックチェーン技術、クラウド基盤「Lumada」(日立製)
稼働時期2021年1月(実証実験の開始時期)