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鹿島建設、施工現場の進捗管理に向けたデジタルツイン基盤を構築

DIGITAL X 編集部
2021年2月4日

鹿島建設は、建設現場の状況を示すデータ群となるデジタルツインを管理・運用するための基盤システムを構築し運用を開始した。同基盤を使って施工現場の進捗を部材単位で管理するなど生産性の向上を図る。3次元データの処理技術を持つピクシーダストテクノロジーズ(PXDT)と共同で開発した。PXDTは落合 陽一 氏が代表取締役を務める研究開発型ベンチャー企業である。両社が2021年1月21日に発表した。

 鹿島建設が構築した「鹿島ミラードコンストラクション(KMC:Kashima Mirrored Construction)」は、建設現場を対象にしたデジタルツイン基盤。着工前に作成するBIM(Building Information Modeling)データと、建設現場に設置するセンサーで取得する施工中の空間データを一元管理する(図1)。

図1:「鹿島ミラードコンストラクション(KMC:Kashima Mirrored Construction)」の概要

 空間データの取得には、レーザースキャナーやToF(Time of Flight)センサー、Webカメラを利用する。取得した空間データには撮影時刻(タイムスタンプ)を付与することで、日々変化する建設現場をデジタルツインとして蓄積・管理する。

 KMCでは、蓄積した一次データを組み合わせて様々なデータを生成できるのが特徴だ。例えば、BIMデータとレーザースキャナーで取得した点群データを重ね合わせて比較することで、施工が完了した部位を色分けした画像「出来高ビュー」を生成・蓄積できる(図2)。

図2:KMCで管理するデータから「出来高ビュー」を生成する

 Webカメラで撮影した映像データについても、リアルタイムに配信するほか、画像解析技術により変化があった場所を色分け表示して進捗を確認できる(図3)。

図3:Webカメラ画像を画像解析し進捗を確認できる

 KMCで生成した出来高ビューは、3次元ビューワーで閲覧したり、部材ごとの施工進捗率を算出に利用したりできる。鹿島建設はKMCの構築に併せて、KMCのデータを用いて施工の進捗状況を部材単位で数値化・可視化するプログラムも開発し、運用を開始した。

 鹿島建設はKMCの稼働に合わせて、東京都内のプロジェクトに導入した。今後は、施工管理のほか、これまでに開発してきた現場で利用するITツールや施工ロボット、自動搬送ロボットとの連携、遠隔管理など、建設現場の運営効率をさらに高めていく。

 鹿島建設は現在、BIMを基軸に建設生産プロセスのデジタル化を進める「鹿島スマート生産」に取り組んでいる。鹿島スマート生産では「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「すべてのプロセスをデジタルに」を掲げている。

 KMC構築は、その一環で、2018年から開発に取り組んできた。鹿島建設とPXDTは2019年10月に共同研究開発プロジェクトに合意し、鹿島が持つBIM技術と、PXDTのセンシングおよび3三次元データの処理技術の融合を図ってきた。

 今回、空間データを扱うためのアプリケーションの開発・実行基盤であるPXDTの「KOTOWARI」を使い、同基盤上のモジュールを組み合わせることでKMCを実現している(図4)。

図3:KMCのアーキテクチャー
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名鹿島建設
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題BIMを基軸に建設生産プロセスのデジタル化を進める「鹿島スマート生産」を実現したい
解決の仕組みBIMデータと建設現場の空間データを一元管理するデジタルツイン基盤を構築し、工事の進捗をリアルタイムに把握・蓄積する
推進母体/体制鹿島建設、ピクシーダストテクノロジーズ(PXDT)
活用しているデータBIMデータ、レーザー-スキャナーやWebカメラ、IoTセンサーなどで取得する空間データ
採用している製品/サービス/技術BIM関連技術(鹿島建設製)、センシング/3次元データ処理技術(ピクシーダストテクノロジーズ製)
稼働時期2021年1月