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スイスのノバルティス、3万人が利用するデータ活用プロセスを構築し数十万ドルのコストを削減

DIGITAL X 編集部
2021年2月12日

スイスの医薬品会社ノバルティスは、全社のデータ活用を進めるための環境を構築し、数十万ドル単位でコスト削減を実現した。データに基づく意思決定に全社で取り組んでいく。データ活用製品を提供した米Qlik Technologiesの日本法人が2021年1月29日に発表した。

 スイスに本社を置く多国籍医薬品会社のノバルティスが構築したのは、データソースを1カ所に集約し、全社の従業員が、どこからでもアクセスできる環境。調達・製造・販売・財務など各部門にいる3万人の従業員が、種々のデバイスを使って利用する。

 ノバルティスはデータ駆動型のビジネスプロセスを構築することで、ビジネス推進に伴う時間や経営資源を節約しながら、付加価値の創出や新たなビジネスチャンスの創出に取り組む。同社の「Business Analytics COE(Center of Excellence)のトップを務めるロワ・ジロー(Lois Giraud)氏は、新しい環境について、こう述べている。

 「ノバルティスにおいて、データはDNAの一部だ。当社が直面した課題は、すべての部門が当社のデータチェーンから価値を着実に生み出せるプラットフォームを見つけることだった。新プラットフォームは全ビジネス分野をデジタル的に強化・最適化・拡張しただけでなく、新しいチャンスを生み出す上で役立っており、全社的なDXをサポートしている」

 新環境の稼働により、データに基づく意思決定により予算および経営資源の配分を最適化することで、数十万ドル(数千万円)単位のコスト削減を実現したという。

 新環境では、従業員がデータを活用するためのプロセスを自動化し、人手によるデータレコードのコピーやロードといった作業を不要にした。それらに伴うエラーが発生する可能性も減少した。モバイル環境に最適化したダッシュボードも構築し、約2万人のセールス担当者が営業現場からデータ分析プラットフォームにアクセスする。

 データの集約環境は、データ分析プラットフォーム「Qlik Sense」(米Qlik Technologies製)を採用した。今後は「Qlik GeoAnalytics」も導入し、地図表示機能を強化することでデータの可視化機能を高める計画だ。加えて、よりリアルタイムな分析と、ERP(統合基幹業務システム)の「SAP」(独SAP製)が管理するデータとの統合を容易にするためノ仕組みもテストしているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名スイス・ノバルティス
業種医療・健康
地域スイス・バーゼル(本社)
課題ビジネス活動に伴う時間や経営資源を節約するとともに付加価値を創出し、かつ新たなビジネスチャンスを探求したい
解決の仕組み従業員がどこからでも全社的なデータソースにアクセスできる環境を整備する
推進母体/体制ノバルティス、米Qlik Technologies
活用しているデータ調達・製造・販売・財務など社内のすべての部門が利用するデータ
採用している製品/サービス/技術データアナリティクスプラットフォーム「Qlik Sense」(Qlik Technologies製)