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伊藤忠、需要予測や発注にAI技術を適用するなど食品流通のデジタル化を本格展開へ

DIGITAL X 編集部
2021年2月15日

伊藤忠商事は食品のサプライチェーンを対象にしたデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを本格化する。まずはグループ食品卸大手の日本アクセスから食品メーカーへの発注業務にAI(人工知能)技術を適用した仕組みの本格展開を開始した。需要予測に基づく発注業務の最適化を図る。2021年2月1日に発表した。

 伊藤忠商事が食品のサプライチェーンのデジタルトランスフォーメーション(DX)の本格展開に着手した。第1弾として、同社グループで食品卸大手の日本アクセスにおいて、AI(人工知能)技術を用いた需要予測に基づいて食品メーカーに自動で発注する仕組みの複数の物流拠点への実導入を開始した(図1)。在庫の10〜30%削減と発注に掛かる業務の半減を期待する。

図1:日本アクセスにおけるメーカーへのAI技術を使った自動発注の仕組みと期待する効果

 まずは、一部顧客を対象にした飲料や酒、菓子などの常温商品、約1000点から自動発注とし、対象の顧客およびカテゴリを順次拡大する。

 伊藤忠商事は2018年からDXへの取り組みを始め、データ活用事例を創り出すために基盤・体制の構築に着手した。その中で、グループの多くが携わる食品のサプライチェーンの最適化を重要施策に位置付け、日本アクセスでの実証実験を開始した。

 具体的には2020年から、データ分析事業を手掛けるブレインパッドやITサービス会社の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と連携し、日本アクセスの一部物流拠点で小売店のデータも活用する需要予測と発注自動化の仕組みを検証してきた。

 実証実験では、小売りが持つ業務データ(在庫・売上げ・発注)と日本アクセスの業務データ(在庫・入出荷・商品ごとの発注ロット)に、天候データやカレンダー情報を加えた機械学習モデルを構築した。食品メーカーへの推奨発注値を算出し、既存の発注システムを介して発注する。結果、一定の在庫削減効果および発注業務の効率化が確認できたという。

 今後は、日本アクセスへの展開と並行して、商品・原材料の調達から小売店舗への物流までのサプライチェーン全体の最適化を視野に、グループ内外の各社が持つデータを活用する仕組みの検討を進める。

 将来的には、取引先であるメーカーの工場の稼働率や物流倉庫の効率化や、小売店におけるフードロス・機会ロスの削減に寄与するサービスを創出し提供することを目指すとしている。

 そのために伊藤忠商事は、2019年12月にデータマネジメント事業を展開するウイングアーク1stを持分法適用会社化。2020年3月には、デジタルコンサルティング事業を手掛けるAKQAとの協業を始めたほか、2020年11月にはブレインパッドと資本業務提携を結んでいる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名伊藤忠商事
業種流通・小売り
地域東京都港区(本社)
課題食品のサプライチェーンにおいて、商品・原材料の調達から小売店の店頭までの各種業務の最適化を図り、フードロス・機会ロスの削減に寄与したい
解決の仕組み食品流通に関するデータを活用し最適化を図れる仕組みを構築する。第1弾として、需要予測に基づき食品卸から食品メーカーへの発注業務を自動化する
推進母体/体制伊藤忠商事、日本アクセス、ブレインパッド、伊藤忠テクノソリューションズ
活用しているデータ食品小売会社の業務データ(在庫・売上げ・発注)、食品卸会社の業務データ(在庫・入出荷・商品ごとの発注ロット)、天候データ、カレンダー情報など
採用している製品/サービス/技術AIを活用した需要予測技術、発注最適化ソリューション