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トヨタとウェザーニュース、コネクテッドカーの走行データと気象情報から道路の凍結状況を推定

DIGITAL X 編集部
2021年3月15日

トヨタ自動車とウェザーニューズは、コネクテッドカーの走行データと気象データを組み合わせて道路の凍結個所を推定する実証実験を2021年2月22日から47都道府県で開始している。道路の凍結状況を把握できるシステムの構築を目指す。ウェザーニューズが同日に発表した。

 トヨタが取り組むのは、道路の凍結箇所を把握するための「路面凍結推定マップ」の実証実験(図1)。コネクテッドカーから得られる走行データなどに気象データを組み合わせることで凍結状況を推定する。道路の凍結状況を簡易かつ網羅的に把握できるシステムを構築し、交通事故の防止や長期の立ち往生の回避などに利用したい考え。

図1:「路面凍結推定マップ」のサンプル

 実証実験では、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を搭載するコネクテッドカーのブレーキの稼働状況や走行データなどから車輪がスリップしたと見られる個所を検出。その場所の気温や降雪・降雨などの気象データと合成し道路の凍結個所を推定する。車両と気象の両データを使うことで、スリップの原因が凍結によるものかどうかを判別する。

 道路の積雪や凍結が予想される場合、道路管理事業者は除雪や凍結防止剤の散布を実施している。だが凍結個所の把握は目視が主流のため、凍結個所を網羅的かつリアルタイムに把握することは困難なのが現状だ。

 実験期間中は、推定した凍結個所を示す路面凍結推定マップをウェザーニューズがWebサイトにリアルタイムに公開する。同社が提供するアプリのユーザーから寄せられる天気に関する報告や写真、コメントなどを元に推定結果を検証し、精度の向上を図る。

 トヨタとウェザーニューズは2019年から、車両と気象のデータを使った気象観測や予測の精度向上、ドライバーの安全性向上に向けた研究に取り組んでいる。今回の実証実験も、その一環である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名トヨタ自動車、ウェザーニューズ
業種製造、サービス
地域愛知県豊田市(トヨタ本社)、千葉市(ウェザーニューズ本社)
課題目視では困難だった道路の凍結個所の網羅的かつリアルタイムな把握を可能にするシステムを構築したい
解決の仕組み車のブレーキの稼働状況や走行データと気象データを組み合わせてスリップが道路の凍結による個所を推定する
推進母体/体制トヨタ自動車、ウェザーニューズ
活用しているデータ車のブレーキの稼働状況や走行などの車両データ、気温や降雪・降雨などの気象データ
採用している製品/サービス/技術IoT技術、気象予測
稼働時期2021年2月22日(実証実験の開始時期)