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JR東日本、建設工事を遠隔からの監督に5Gとデジタルツインを用いる実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年3月17日

JR東日本(東日本旅客鉄道)は2021年夏ごろから、建設工事現場を5Gとデジタルツインを使って遠隔から監督する実証実験をソフトバンクと共同で開始する。工事の品質確認に伴う移動を不要にしながら効率的なに品質確認作業を可能にするのが目的だ。2021年2月26日に発表した。

 JR東日本(東日本旅客鉄道)が実施するのは、建設工事をリモートで監督できるシステムの実証実験(図1)。工事現場では、構造物の寸法や鉄筋の種類・位置が設計図通りかなど建設工事の品質を確認する必要があるが、オフィスから現場への移動と確認作業に時間がかかっており、その課題を解決するのが目的だ。

図1:5Gとデジタルツインを活用した建設現場のリモート監督のイメージ

 実験は新潟県十日町市にある同社の千手発電所の設備の取り替え工事を対象に実施する。同発電所では、発電機や水車を支える設備などの大規模取り替え工事に取り組んでいる。

 検証するシステムでは、建設現場の状況を画像や点群データといて取得し、デジタルツインとして仮想空間に再現。JR東日本担当者は建設現場から離れたオフィスなどから遠隔で品質確認などを実施する。

 画像や点群データの取得にはドローンなどを採用し、人手に頼らないデータの取得・確認手法を検討する。取得したデータの伝送には5G(第5世代移動通信システム)を活用し、遠隔地から工事の状況をリアルタイムに把握できるようにする。

 JR東日本では、実証実験の結果を様々なプロジェクトに水平展開することで建設プロジェクトにおけるデジタル技術の活用を推進したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名JR東日本(東日本旅客鉄道)
業種交通/製造
地域東京都渋谷区(本社)
課題建設工事現場の施工品質を確認するために現地に赴かねばならず時間がかかっている
解決の仕組み施工品質をリモートで確認できる仕組みを構築する
推進母体/体制JR東日本、ソフトバンク
活用しているデータ建設工事現場の画像および点群データなど
採用している製品/サービス/技術5G、デジタルツイン
稼働時期2021年夏ごろ(実証実験の開始時期)