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三越伊勢丹、オンライン接客用アプリの短期投入にローコード開発ツールを活用

DIGITAL X 編集部
2021年3月17日

三越伊勢丹は店頭の商品をオンラインで接客・販売するためのスマートフォン用アプリケーションの開発にローコードツールを採用し短期投入を実現した。購買の新しいスタイルの提案を強化する。アプリの開発を担った同社のデジタル機能子会社であるIM Digital Labと、IT子会社の三越伊勢丹システム・ソリューションズ、およびデジタル化支援会社のグロースエクスパートナーズの3社が2021年2月26日に発表した。

 三越伊勢丹の「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」は、同社の店頭にある商品を対象に、チャットによる会話や動画で接客、購入までを可能にするスマートフォン用アプリケーション。2020年11月25日から提供しており、顧客は自宅から三越伊勢丹の店頭に並ぶ商品を購入できる(図1)。

図1:「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」の画面例

 コロナ禍にあって三越伊勢丹は、対面接客によるホスピタリティを強みとしがらも、デジタルサービスによる店舗や距離を問わない新しい購買スタイルの提案に力を入れている。同アプリの提供はその一環で、コロナ禍における新しい顧客接点に位置付ける。

 同アプリの提供に向けては、新しい接客サービスの早期提供を目指すものの開発メンバーが限られていた。そのためアプリの開発では、顧客が利用する機能の作り込みを重視。社内スタッフが利用する管理用画面の開発は効率を優先し、ローコード開発ツールを採用した。

 採用したローコード開発ツールは、米スタートアップ企業のRetoolが開発する「Retool」。Retoolを使ってダッシュボードや、予約管理・顧客管理・決済管理といった管理画面を開発した。

 三越伊勢丹はRetoolの採用で、短期間で開発・運用するためのアジャイル開発とDevOps(開発と運用の融合)の仕組みを導入し、新機能を週単位で提供できる体制を構築できているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三越伊勢丹
業種流通・小売り
地域東京都新宿区(本社)
課題コロナ禍にあって、店舗や距離を問わない新しい購買スタイルを提案したい
解決の仕組みオンラインで接客から販売までを実施できるスマートフォン用アプリケーションを開発・提供する。開発効率を高めるために、顧客が操作しない管理画面などはローコード開発ツールで開発する
推進母体/体制三越伊勢丹、IM Digital Lab、三越伊勢丹システム・ソリューションズ、グロースエクスパートナーズ
活用しているデータ顧客や商品の情報、接客の予約情報など
採用している製品/サービス/技術ローコード開発ツール「Retool」(米Retool製)
稼働時期2020年11月25日(「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」の提供開始時期)