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三井不動産、オフィスの換気や在席状況をIoTで可視化する実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年3月23日

三井不動産は、オフィスの換気や在席状況などをIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を使って可視化する実証実験を開始した。安心・安全なオフィス空間の提供を目指す。2021年2月24日に発表した。

 三井不動産が実験するは、オフィスの換気や在席状況などをIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を使って可視化するもの(図1)。施設の管理者がオフィスの環境を遠隔から一括して把握・管理できるようにする。千葉県の「柏の葉スマートシティ」内にあるコワーキングスペース「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」で実施する。

図1:IoT技術を使ったオフィス環境の管理システムの概要

 オフィスの換気状況は、温度・湿度・二酸化炭素の計測センサーを設置し可視化する。デスクの在席状況や空き状況は、人感センサーをデスクの裏面とトイレの個室ドア、それぞれに設置して可視化する。入館者の体温とマスク着用についても、AI(人工知能)技術を搭載したサーモカメラ「EG-Keeper」をKOILの入り口に設置して検知する。

 収集したデータは、KOIL内に設置したデジタルサイネージに表示する。KOIL利用者が閲覧できる専用サイトを通じて、換気や在席状況などを確認できるアプリケーションも提供する予定である。

 施設の管理者はIoTシステムを使って適切なタイミングで換気したり、稼働率が高い座席や利用時間・曜日などから座席の配置計画に利用したりする(図2)。トイレの個室の管理では、空き状況から体調不良者や長時間滞在者を発見できるようにする。

図2:座席の利用状況を色別で表示する

 センサーデータは、IoTのための通信サービス「SenseWay Mission Connect」(センスウェイ製)とクラウドサービス「Microsoft Azure」(米マイクロソフト製)を使って集約する。オフィスにはIoTゲートウェイを置き、1台で複数フロアをカバーする。

 今回の実証実験は、三井不動産が柏の葉スマートシティにおいてIoTの普及を目指すためにセンスウェイと共同で設立した「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」の取り組みの第1弾。2020年9月から実証に向けた準備を始めていた。実験の結果を元に、柏の葉以外の物件への導入も検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井不動産
業種サービス
地域東京都中央区(本社)
課題安心・安全なオフィス空間を提供するために施設を遠隔から状況把握・管理したい
解決の仕組みオフィス内の換気、在席、トイレの使用状況、入館者の体温・マスクの着用状況をIoTシステムを使って可視化する
推進母体/体制三井不動産、センスウェイ
活用しているデータ温度・湿度・二酸化炭素のデータ、人感センサーのデータ、入館者の体温およびマスク着用の有無情報
採用している製品/サービス/技術温度・湿度・二酸化炭素を計測するセンサーや人感センサー、IoT通信プラットフォーム「SenseWay Mission Connect」(いずれもセンスウェイ製)、クラウド「Microsoft Azure」(米マイクロソフト製)
稼働時期2021年2月