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鴻池運輸、物流用自動化機器をターゲットにした研究開発拠点を設立

DIGITAL X 編集部
2021年3月25日

鴻池運輸は、物流分野における自動化機器を研究開発するための施設を2021年3月3日に設立した。物流現場に導入するロボット技術などの実証実験に取り組む。同日に発表した。

 鴻池運輸が設立した「鴻池技術研究所イノベーションセンター(技研IC)」は、物流分野における先端技術を検証するためのオープンイノベーション(共創)拠点。自動化機器の開発・実験や、国内外のスタートアップ企業が持つ技術の実証実験などに取り組み、現場の自動化・省力化に向けた技術イノベーションを加速するのが目的だ(図1)。

図1:「鴻池技術研究所イノベーションセンター(技研IC)」が想定する物流作業の内容と適用する自動化技術の例

 技研ICが担う役割は大きく3つ。(1)現場への導入前に、多岐にわたる作業現場を再現し実効性を確認する、(2)社員や顧客、ベンダーが新技術に触れる機会を増やしオープンイノベーションを進める、(3)顧客を巻き込みながら現場の課題を解決できる技術革新拠点であること、である。

 検証用の自動化機器として倉庫内作業を想定した5種を導入している。(1)自動フォークリフト(ZMP製)、(2)ピッキングエリア内の自動搬送ロボット(Rapyuta Robotics製)、(3)棚ピッキング・自動搬送ロボット(inVia Robotics, Inc.製)、(4)多品種ピースピッキングのロボットアーム(THK製)、(5)カゴ車自動搬送ロボット(トピー工業製)および制御ソフト(NEC製)だ。

 例えば、自律走行搬送ロボットは協働型AMR(Autonomous Mobile Robot)になっており、作業員の負荷軽減に向けて人とAMRが協働してピッキング作業に当たった際の効果を確認・検証する。

 鴻池グループでは、新技術の導入によるデジタルトランスフォーメーション(DX)など技術革新への取り組みを進めている。鴻池運輸としては、技研ICの開設を機に物流業の自動化・省力化を加速し、業務の効率化や労働環境の改善を推進したい考えだ。

 物流業では、若年労働人口の減少や通販需要の拡大に伴い人手不足が深刻化している。現場の生産性向上や安全と品質の確保、労働負荷の軽減が課題になっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名鴻池運輸
業種物流
地域大阪市中央区(本社)
課題物流業における労働人口の減少およびピッキング作業をする作業員の負荷を解消したい
解決の仕組み自動化技術を検証する研究開発拠点を設立し、物流現場の自動化および省力化を図るための技術開発を加速させる
推進母体/体制鴻池運輸
活用しているデータピッキング対象商品の保管場所などロボットが自律走行するための情報
採用している製品/サービス/技術自動フォークリフト(ZMP製)、ピッキングエリア内の自動搬送ロボット(Rapyuta Robotics製)、棚ピッキング・自動搬送ロボット(inVia Robotics, Inc.製)、多品種ピースピッキングのロボットアーム(THK製)、カゴ車自動搬送ロボット(トピー工業製)および制御ソフト(NEC製)
稼働時期2021年3月3日(研究施設の開設日)