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札幌ハートセンター、医療の安全性を高めるために医療データの連携基盤を構築

DIGITAL X 編集部
2021年3月26日

心疾患治療を専門とする医療法人札幌ハートセンターは、業務効率および医療の安全性を高めるために、医療データ連携プラットフォームを構築した。院内システムと医療機器の連携を推進する。プラットフォームを構築したITサービス会社のインテックと米インターシステムズ日本法人が2021年3月9日に発表した。

 心疾患治療の専門クリニックである札幌ハートセンターが構築した医療データ連携プラットフォームは、院内で稼働する電子カルテや医療会計、調剤支援など複数のシステムおよび医療機器を連携させるためのもの(図1)。2020年10月から運用している。

図1:札幌ハートセンターが構築・運用する「医療データ連携プラットフォーム」のイメージ

 システム連携により、同クリニックの医療スタッフは、院内にある、どの端末からもリアルタイムに患者情報を共有できる。医師や現場スタッフの業務効率が高まり、患者と対応する時間が増えた。医療スタッフが医療に専念できる環境を整えることで、医療の安全性の向上につなげたい考えだ。

 札幌ハートセンターはこれまで、多くのシステムと医療機器を導入してきた。ただ、それら多くが独立して稼働しており、医療スタッフはシステムが配置されている部門まで移動し手書きで転記するなど、業務効率の改善が課題になっていた。

 プラットフォームの導入により、システム改修に掛かる時間とコストの削減も図れた。1件のシステムを改修するのに以前は3カ月程度の時間がかかっていたものが、現在は3分の1程度の時間と2分の1のコストで対応できているという。

 システム障害時も、システム接続にかかわる障害はピンポイントで特定できるようになったことから、システム障害が医療業務に影響を及ぼす時間の短縮も図っている。

 札幌ハートセンターが構築した医療データ連携プラットフォームは、米インターシステムズ製のソフトウェア「InterSystems IRIS for Health」と「InterSystems Health Connect」で構築されている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名札幌ハートセンター
業種医療・保険
地域北海道札幌市
課題院内では多数のシステムと医療機器が独立して稼働しており、医療スタッフはシステムのある部門に移動して手書きで転記する必要があるなど、業務の効率性に問題があった
解決の仕組み院内システムおよび医療機器全体を連携させる
推進母体/体制札幌ハートセンター、インテック、米インターシステムズ日本法人
活用しているデータカルテや画像、会計など患者に関する各種の情報
採用している製品/サービス/技術「InterSystems IRIS for Health」および「InterSystems Health Connect」(いずれも米インターシステムズ製)
稼働時期2020年10月