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独シーメンス、IoTプラットフォーム「MindSphere」の実行環境にオンプレミスを追加

DIGITAL X 編集部
2021年4月1日

独シーメンスは、同社の産業用IoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォーム「MindSphere」の実行環境として、クラウドをオンプレミス環境を連携させるハイブリッドクラウドを追加した。製造現場などで多用されるエッジ環境の統合を容易にするのが目的だ。米IBMおよびIBM傘下の米Red Hatと協業し実現する。米IBMが2021年2月24日(現地時間)に発表している。

 独シーメンスの「MindSphere」は、製造業などを対象にしたいIoT(Internet of Things:モノのインターネット)のためのプラットフォーム。センサーデータなどを統合し、製造業のためのデジタルツインの構築を支援する。

 今回、MindSphereの実行環境に、オンプレミス環境を加えたハイブリッドクラウドを追加した。これまではシーメンス自身のクラウド環境またはAWS(Amazon Web Services)上での利用に対応してきた。

 今後は利用企業は、MindSphereをオンプレミスで実行することで、工場やプラントなど現場におけるオペレーションのスピードを高めながら、クラウドを介したサポートやソフトウェアのアップデート、他の業務システムへの接続などが可能になる。

 工場などで発生する産業用データは、よりリアルタイムに処理するためのエッジコンピューティングを含め、現場で処理する必要がある。そうしたデータをすべてクラウドに送信することはリアルタイム性の観点から問題がある。

 シーメンス デジタル インダストリーズ ソフトウェアのシニアバイスプレジデントであるレイモンド・コック氏は、「MindSphereをオンプレミスで実行するかクラウドで実行するかを選択できるようにすることで、企業ごとに異なる運用ニーズに対応できる」と話す。

 ハイブリッドクラウド対応は、米IBMと同社子会社の米Red Hatとの連携で実現する。コンテナ対応ソフトウェアの開発/実行環境である「Red Hat OpenShift」を採用することで、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドのいずれの環境でもソフトウェアの実行を可能にする。

 米IBMのエネルギー、リソースおよび製造担当ゼネラルマネージャーであるマニシュ・チャウラ氏は、「エッジで処理される作業現場のデータの制御とエンタープライズシステムのシームレスな接続提供する」としている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名独シーメンス
業種製造
地域独ミュンヘン(本社)
課題MindSphereの実行環境としてオンプレミス環境を強化したい
解決の仕組みコンテナ型ソフトウェアの開発・実行環境に対応し、ソフトウェアのポータビリティ(可搬性)を確保する
推進母体/体制独シーメンス、米IBM、米Red Hat
活用しているデータ産業用IoTデータ
採用している製品/サービス/技術コンテナ対応ソフトウェアの開発/実行環境「Red Hat OpenShift」(米Red Hat製)
稼働時期2021年2月24日