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長谷工、次世代のマンション設計システムを実現するための共同研究を開始

DIGITAL X 編集部
2021年4月1日

長谷工コーポレーションは、マンションの設計業務におけるAI(人工知能)技術を活用するための研究を開始した。ディープラーニング(深層学習)による画像の認識・生成技術に強みを持つインキュビットと共同で取り組む。次世代マンション設計システムを実現しマンション設計業務の効率を高めるのが目的だ。2021年3月12日に発表した。

 マンション建設最大手の長谷工コーポレーションは、次世代のマンション設計システムの開発を目指す。AI(人工知能)技術を使用し、過去の設計図面を効率よく活用するための基礎技術の実現可能性を探るとともに、AIを活用した設計・施工の新たな手法を研究する(図1)。

図1:長谷工コーポレーションが描く次世代設計システムでのAI活用

 研究には、長谷工のオープンイノベーション(共創)拠点である「HDTL(Haseko Digital Technology Lab)」が、ディープラーニング(深層学習)による画像の認識・生成技術に強みを持つインキュビットと組んで取り組む。

 HDTLは、デジタル技術を駆使し、より高度な設計・建設手法の研究・習得を目的に、外部の研究機関や企業・組織などと連携を図っている。主な研究テーマには、デジタル手法を用いた設計やシミュレーション設計、デジタルファブリケーション、生産と連携したマスカスタマイゼーションなどを挙げる。

 長谷工は、デジタルトランスフォーメーション(DX)による抜本的な生産性改革に取り組んでおり、「長谷工版BIM(Building Information Modeling)」を核とする次世代設計システムの進化・深化と活用を図っている。2020年4月にはDX推進の専門部署を設計部門と建設部門に新設。同時に技術推進部門に置いたのがHDTLだ。

 一方のインキュビットはこれまでに、医療や地質、農業、バイオ、宇宙、製造といった業種において企業・機関とともに技術開発と社会実装に取り組んでいる。

 両者は今後、長谷工が持つマンション設計に関する知見や過去の設計図面データと、インキュビットが持つディープラーニングに関する知見や技術を組み合わせることで、研究開発を進める考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名長谷工コーポレーション
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題マンション設計業務のさらなる効率化を図りたい
解決の仕組みディープラーニング技術を使い過去の設計図面の有効活用など、AIを活用した設計・施工手法を研究開発する
推進母体/体制長谷工コーポレーション、インキュビット
活用しているデータ過去の設計図面など
採用している製品/サービス/技術ディープラーニング(深層学習)を用いた画像生成技術などのAI技術
稼働時期2021年3月12日(共同研究の発表日)