• UseCase
  • 製造

森ビル、複数の“ヒルズ”を結び文化・経済圏を広げるための都市OSを開発

DIGITAL X 編集部
2021年4月5日

六本木ヒルズをはじめとする複数のヒルズを連携するための都市OSを森ビルが開発した。街中の各種施設からデータを集積・分析し、サービスの個客最適化などに利用する。専用のIDとスマートフォン用アプリケーションを皮切りに、2021年4月5日から順次サービスを投入する。同3月16日に発表した。

 森ビルが開発した「ヒルズネットワーク」は、都市のデジタル基盤を実現するための都市OS。東京の六本木ヒルズや表参道ヒルズ、アークヒルズなど、森ビルが管理・運営する複数の“ヒルズ”を利用する居住者や勤務者、来街者などを対象にした新サービスの提供に加え、複数のヒルズを連携・融合することで、新たな文化・経済圏の創出を図るのが目的だ(図1)。

図1:森ビルの都市OS「ヒルズネットワーク」は複数の“ヒルズ”を結ぶデジタル基盤になる

 ヒルズネットワークでは、住宅やオフィス、店舗、ホテル、学校、病院、文化施設など、ヒルズ内にある各種施設から得られるデータを集積し分析する。その結果を基に、サービスの個客への最適化や、情報のマッチングとカスタマイズ化を進めることで、ヒルズの居住者や勤務者、および来街者の利便性や顧客体験を高めるなど、街全体の最適化を図るという。

 ヒルズネットワークを活用したサービスの第1弾として、ヒルズの利用者を対象にした専用ID「ヒルズID」とスマートフォン用アプリケーション「ヒルズアプリ」を2021年4月5日から提供する。

 ヒルズアプリでは、ポイントの付与・利用や、施設の予約などをオンライン上で完結できるようにするほか、利用者の属性や利用履歴、位置情報などに基づいて1人ひとりに最適化したヒルズの情報を配信する(図2)。

図2:スマートフォン用アプリケーション「ヒルズアプリ」の画面例

 2022年には第2段階として、カメラなどのセンシング機器からのデータを活用して街の情報を可視化しながら、ヒルズアプリの利用などで得られる情報と組み合わせてアプリの機能を改修する計画である。

 さらに2023年には、同年に完成する「虎ノ門・麻布台プロジェクト」と「虎ノ門ヒルズエリア」において、施設やサービスと利用者を都市OS上で統合し、街全体が働く場所にも暮らす場所にもなるような都市生活空間の実現を目指すとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名森ビル
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題ビルの利用者の利便性を高めるとともに、複数のビルを連携・融合することで、新たな文化・経済圏を創出したい
解決の仕組みビルから得られるデータを収集・統合するための基盤となる都市OSを開発・運用する
推進母体/体制森ビル
活用しているデータビル内の施設から得られるデータや利用者の利用状況など
採用している製品/サービス/技術都市OS「ヒルズネットワーク」
稼働時期2021年4月5日(ヒルズネットワークを利用するサービスの第1弾となる専用ID「ヒルズID」とスマートフォン用アプリケーション「ヒルズアプリ」の提供開始日)