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日産、生産終了した“往年の名車”の補修部品を3Dプリンティングで復刻生産

DIGITAL X 編集部
2021年4月7日

日産自動車は、生産を終了した“往年の名車(ヘリテージカー)”の補修部品を3Dプリンティング技術を使って復刻生産する。純正の補修部品を販売するための在庫・物流コストを削減し、継続性を高める。2021年3月16日に発表した。

 日産自動車は、生産終了したヘリテージカーの純正補修部品を3D(3次元)プリンターで復刻生産し、「NISMOヘリテージパーツ」として商品化する。金型が不要で、都度生産できる3Dプリンターを使うことで、補修部品の保管・物流などに掛かるコストの削減を期待する。

 生産するのは、「R32型スカイラインGT-R」のハーネス用プロテクター(樹脂部品)(写真1)。3Dプリンターの特性に合わせて部品を再設計し性能試験を実施した結果、品質基準を満たした自動車部品を短期間で商品化できたとする。

写真1:3Dプリンティング技術で生産した、R32型スカイラインGT-Rのハーネス用プロテクター(樹脂部分)

 ヘリテージカーの市場が全世界的に拡大するなか、同社は2017年12月からヘリテージカーの純正補修部品を販売してきた。ただ、部品を製造するための金型の保持や、部品の在庫・物流にかかる費用が課題になっていた。

 なお今回、GT-Rのリアパネルも復刻の対象として、自社開発した「対向式ダイレス成形」で生産する。同成形は金型を使わずにボディパネルを成形する。

 日産は今後、自社の総合研究所や生産技術研究開発センターの技術を用い、NISMOヘリテージパーツの商品数を拡大していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日産自動車
業種製造
地域横浜市(本社)
課題生産終了したヘリテージカーの補修部品の製造・保管にかかる費用を抑えたい
解決の仕組み金型を使わない部品の製造手法として、3Dプリンティング技術および対向式ダイレス成形を使って開発する
推進母体/体制日産自動車、日本HP、3D関連のITサービス会社SOLIZE
活用しているデータ補修部品の設計情報
採用している製品/サービス/技術3Dプリンター「HP High Reusability PA11」(米HP製)