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別川製作所、工場設備の異常を音で検知するスマホアプリを金沢工大と共同開発

DIGITAL X 編集部
2021年4月21日

配電盤等を製造する別川製作所(石川県白山市)は、工場設備の稼働音から異常を検知するスマートフォン用アプリケーションを金沢工業大学と共同で開発した。金沢工大が2021年4月1日に発表した。

 別川製作所は配電盤や分電盤などの製造やメンテナンスなどを手掛ける会社。今回、金沢工業大学と共同で、機械の稼働音から異常を検知できるスマートフォン用アプリケーションを開発した。スマホで録音した機械の稼働音をクラウド上でAI(人工知能)技術を使って解析して検知する(図1)。

図1:機械の稼働音から異常を検知するシステムの概念

 稼働音の取得データの精度を保持するために、AR(拡張現実)マーカーを利用する。機械の映像やガイダンスとともに録音方法などをスマホに表示する機能を組み込んだ。

 2020年11月と2021年1月には、開発したアプリの実証実験も実施した別川製作所の工場内にある塗装エリアで、塗装ポンプの稼働音を録音し、操作の手順や使い勝手を検証した(写真1)。

写真1:別川製作所の工場での実証実験の様子。左が金沢工業大学 情報工学科の徳田 真之介 氏

 当初、解析結果はPCなどスマホとは別の端末に通知することを検討していた。だが、スマホの手軽さを最大限生かせるように解析結果をスマホに通知するよう改善。録音から解析、結果の通知までをスマホ1台で完結できるようにした。

 スマホアプリの開発に向けては2020年4月から、金沢工業大学の松井くにお教授と情報工学科の徳田 真之介 氏とで共同研究を開始した。機械の稼働状況が正常から異常に変わるまでの過程を可視化する研究だ。

 研究結果に基づき、徳田氏が、稼働音の録音から解析用データへの変換、クラウドでの解析までをスマホのみで操作できるアプリケーションを開発。データを解析するAIシステムは、松井教授のアドバイスのもと別川製作所が開発した。

 共同研究のきっかけは、別川製作所の社員が金沢工大の「情報技術教育プログラム」を受講したこと。AI・データサイエンス・IoT・ロボティクス・ネットワークセキュリティについて学習するプログラムだ。受講後に同社員が、AI・IoTに関する知識をより深めるために松井教授から技術指導を受けたことが共同研究に発展したという。

 今後は、ARやビーコンを活用しシステムの適用範囲を拡張するとともに、機械の稼働音以外のデータも取得できるようにしながら工場設備の異常検知システムとしての実用化を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名別川製作所
業種製造
地域石川県白山市(別川製作所の工場)
課題工場設備の異常を早期に検知したい
解決の仕組みスマートフォンを使って機械の稼働音を録音し、そのデータをAI技術で解析する
推進母体/体制別川製作所、金沢工業大学 松井くにお研究室
活用しているデータ工場設備の稼働音
採用している製品/サービス/技術AI(人工知能)技術、AR(拡張現実)技術
稼働時期2021年4月