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済生会宇都宮病院、看護師の発話内容をAI技術でテキスト化し記録業務の時間を半減

DIGITAL X 編集部
2021年4月22日

済生会支部栃木県済生会宇都宮病院(済生会宇都宮病院)は、看護記録を看護師の発話内容をAI(人工知能)技術を使ってテキスト化するシステムの実証実験を実施し、手作業だった入力時間を約50%削減できることを確認した。システムを導入したNECが2021年4月1日に発表した。

 済生会宇都宮病院は看護記録業務の負荷を軽減するために、看護師の発話内容をAI(人工知能)技術を使ってテキスト化する業務支援システムの実証実験を2021年2月に実施した(図1)。結果、それまで手作業だった看護記録業務において必要な時間を約50%削減できることが確認できたという。

図1:AIを使った看護記録支援システムの画面

 実証システムを使うことで、看護師は看護記録作成のための業務負担を軽減でき、より質の高い看護に注力できると期待する。音声入力のため、各種デバイスへの接触機会を減らせるため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へのリスク軽減も図れるとする。

 実験では、病棟看護師と専門・認定看護師の32人が専用のスマートフォンを使って業務内容を音声入力し、システムの利便性や安全性などを評価・検証した。医療専門用語に対応した音声認識エンジン(NEC製)を使って発話内容をテキスト変換する。テキストデータから看護記録の形式に合わせて必要な要素を抽出することで、内容の確認と整理を容易にしたという。

 済生会宇都宮病院では今回の成果を踏まえ、病棟での入院患者だけでなく、外来患者を対象にした看護業務や感染症対策に向けても同システムを利用する考え。そこでは、周囲の騒音を打ち消し発話内容を明瞭に処理できるイヤホン型デバイスの導入を検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名済生会支部栃木県済生会宇都宮病院
業種医療・健康
地域栃木県宇都宮市
課題看護師の看護記録業務の負担を軽減するとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクを軽減したい
解決の仕組み看護師の発話内容をAI技術でテキスト化し看護記録を作成する
推進母体/体制済生会支部栃木県済生会宇都宮病院、NEC
活用しているデータ看護師による看護内容などの発話情報
採用している製品/サービス/技術医療専門用語に対応した音声認識エンジン(NEC製)
稼働時期2021年2月(実証実験の実施時期)