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ドイツの大手小売りSchwarz Group、1万2500超の店舗運営を集中管理する仕組みを構築

DIGITAL X 編集部
2021年4月27日

ドイツの大手小売業Schwarz Groupは、1万2500を超える店舗の運営を集中管理するための仕組みを構築した。各店の業務を標準化するとともに、店舗管理システムの運用を自動化することで、新店舗の出店も容易にする。システムのプラットフォームを提供する米RedHatの日本法人が2021年4月9日に発表した。

 ドイツのSchwarz Groupは売上高世界4位の小売業者。「Lidl」と「Kaufland」の2つのブランドを掲げ全世界で1万2500店以上を運営する。

 このほど、各店舗による新サービスへの対応や対顧客サービスの向上を目的に、各店舗を運営するためのストアサーバーの管理・運用を自動化するためのオートメーションフレームワークを構築した。全店舗に最新のデジタルサービスを提供すると同時に、各店舗のIT担当者が地域ごとに異なるニーズに集中して対応できるようにした。

 店舗に置くストアサーバーは、対顧客サービスを提供するためのアプリケーションプログラムの動作環境だ。顧客管理やポイント提供のほか、店頭にあるキオスク端末や監視カメラなどを接続・制御している。

 新フレームワークでは、ストアサーバーに対して新しいサービスやアプリケーションを遠隔地からインストールできるようにした。システムの再起動から全体システムとの同期を30分以内で実行する。これにより、既存店舗の運用だけでなく、新店舗を短期間に開店できる仕組みも実現した。

 Schwarz IT Linuxコンピュートおよびランタイムサービス部門ストアサーバー責任者のFelix Kuehner氏は、オートメーションフレームワークについて、こう語っている。

 「組織として私たちは、常にOSS(オープンソースソフトウェア)の確固たる支持者でした。中央集中化されたオートメーションソリューションを導入することで、新規店舗をより迅速に開店し、自動化されたワークフローをサポートし、革新的なデジタルサービスの運用を世界中のすべての店舗で開始できます。顧客体験の向上を提供する店内デジタルサービスによって、差別化およびオンラインショップとの競合が可能になります」

 オートメーションフレームワークには、運用自動化のための「Red Hat Ansible Automation Platform」(米Red Hat製)を採用している。Schwarz GroupグループのIT部門は、RedHatの技術専門家と協力し、2日間のワークショップ期間中にアーキテクチャーを検証し、自動化のための最善策を確立したという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名独Schwarz Group
業種流通・小売り
地域独ネッカーズルム州(本社)
課題1万2500超の店舗運営を標準化するとともに、新しい店舗を短期間に開店できるようにしたい
解決の仕組み各店舗に置く店舗運営システムを中央から集中管理し、店舗システムの運用を自動化する
推進母体/体制独Schwarz Group、米Red Hat
活用しているデータ1万2500超の店舗が運用する店舗システムが扱う顧客情報や販売情報、キオスク端末の操作データ、管理カメラの映像など
採用している製品/サービス/技術運用自動化ツール「Red Hat Ansible Automation Platform」(米RedHat製)
稼働時期2021年4月9日(発表日)