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聖隷福祉事業団、乳がんの早期発見に向けた健診プランをスマホアプリで提供するプログラムを導入

DIGITAL X 編集部
2021年4月28日

社会福祉法人の聖隷福祉事業団は、乳がんを早期に発見するための健診プログラムの提供を開始した。遺伝子検査により判断する。科学的根拠に基づく健診プログラムの提供は、これが日本初という。プログラムを共同開発したコニカミノルタが2021年4月12日に発表した。

 社会福祉法人 聖隷福祉事業団が婦人科検診受診者に提供するのは、乳がんの早期発見を目的とした「CARE(Comprehensive Assessment、Risk and Education:遺伝学的保因リスクに関する知識と包括評価)プログラム」(図1)。コニカミノルタグループの米国子会社Ambry Geneticsが展開するプログラムの日本版として開発した。1人ひとりに合ったがん検診プランをスマートフォン用アプリケーションを使って提供する。

図1:CAREプログラムの流れ

 CAREプログラムによる健診ではまず、チャットボットを使って問診を実施する。次に、遺伝性のがんリスクが高い受診者に対して遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査を提供する。その結果を基にリスク度合いに応じて、より緊密な経過観察や予防的措置、家族歴にもとづく予防方針を提案する。

 がんは、早期発見や予防推進によって克服できる環境が整いつつある。ただ乳がんや子宮頸がん検診の受診率は、欧米の70~80%に対し日本は40~50%にとどまっている。また、日本女性の乳がん罹患患者は諸外国に比べ年齢が若く、40歳代がピークになることが社会的課題になっている。

 CAREでは、全米を代表するがんセンターの集まりであるNCCN(National Comprehensive Cancer Network)が策定した遺伝性/家族性のがんに関する診療ガイドラインに基づいて個々の遺伝的保因リスクを検査している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名社会福祉法人聖隷福祉事業団
業種医療・健康
地域静岡県浜松市
課題乳がんを早期に発見したい
解決の仕組み症例データを基に精度を高めた科学的根拠に基づく健診ツールを使って、遺伝性腫瘍の高リスク者を効率的に判別し個別の検診プランを提供する
推進母体/体制聖隷福祉事業団、コニカミノルタ、米Ambry Genetics
活用しているデータ問診や遺伝子検査の結果など
採用している製品/サービス/技術チャットボット
稼働時期2021年4月12日(発表日)