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ワークマン、店舗での発注業務をAI技術で自動化するシステムを全店展開へ

DIGITAL X 編集部
2021年5月4日

作業服などの製造小売りであるワークマンが、店舗での発注業務を自動化するためのAI(人工知能)システムの利用を始めている。2021年3月に2店舗から導入を始め、2021年11月までに全450店舗に導入する。システムを提供した日立製作所が2021年4月19日に発表した。

 ワークマンが導入を進めるのは、店舗での発注業務を自動化するためのAI(人工知能)システム。システムが推奨する発注量を確認し、確定ボタンを押すだけで発注作業を完了できる。従来30分を要していた発注業務を約2分にまで短縮し、適切な在庫管理や商品のタイムリーな入れ替えを可能にする。

図1:ワークマンが導入を開始した発注業務を自動化するシAIシステムの概要

 ワークマンが取り扱う商品数は約10万品目。1店舗当たり約1万3000品目を扱う。商品発注と在庫管理の両業務を自動化するために、2020年から日立製作所とシステム開発に取り組んできた。3店舗・31品目を対象にしたシミュレーションでは、現状の棚割に即した平均在庫量を維持しながら頻繁な補充により欠品を抑制しながら、発注作業を約2分に短縮できる見通しを得た。

 その結果をもってワークマンは、2021年3月に2店舗から同システムの導入を開始。2021年11月までにワークマンの450店舗に導入する。さらに「WORKMAN Plus」「♯ワークマン女子」を含めた国内すべての約900店舗にも展開する計画だ。

 AIシステムは、スーパーマーケットでの導入実績がある「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」(日立製)をべースに、在庫回転率が低い定番商品のための自動補充型アルゴリズムを組み合わせた。

 さらに、在庫回転率に応じてアルゴリズムを「自動補充型」と「AI需要予測型」とを動的に切り替えるようにもした。アルゴリズムの切り替えには需要予測・発注計画システム「SynCAS」(日立ソリューションズ東日本製)を使っている。

 ワークマンは現在、プライベートブランド(PB)商品の開発や流通センターの増強を進めている。今後も、サプライチェーン全体を最適化するための仕組みづくりに日立とで取り組んでいく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ワークマン
業種流通・小売り
地域東京都台東区(本社)
課題店舗での発注業務に要する時間を短縮し、適切な在庫管理やタイムリーな商品の入れ替えを可能にしたい
解決の仕組み発注業務をAI(人工知能)技術を使って自動化する
推進母体/体制ワークマン、日立製作所
活用しているデータ店舗における商品の販売・在庫に関する情報および季節・イベントなどの情報
採用している製品/サービス/技術 「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」(日立製作所製)、需要予測・発注計画ソリューション「SynCAS」(日立ソリューションズ東日本製)
稼働時期2021年3月(2店舗への導入時期)、2011年11月(ワークマンの全450店舗への導入時期)