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臼井農産、養豚の生産性をIoT技術を使って高める実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年5月4日

養豚農家の臼井農産は、豚の飼養環境をIoT(Internet of Things)技術を使って監視するシステムの実証実験を開始する。豚舎におけるCO2濃度を適切に維持・管理できる手法を確立し、養豚の生産性向上を目指す。NTT東日本が2021年4月19日に発表した。

 臼井農産は、神奈川県厚木市で養豚を営む農家。豚肉を直売する、うすいファームも展開する。

 今回、NTT東日本神奈川事業部と共同で、豚舎内にCO2センサーを設置し、CO2濃度を測定し、豚舎ごとに異なるCO2濃度を調整する(図1)。CO2濃度は、豚の疾患や成育に影響すると考えられている。豚舎のCO2濃度を適切に維持することで、健康な状態で飼養による品質および生産性の向上を目指す。

図1:臼井農産が実施する豚舎のCO2濃度測定のためのシステム概要

 実験は2021年9月30日までの予定で、豚の成育状況を調査しながらCO2濃度を適切に維持・管理する方法を検証する。省電力の広域通信規格であるLPWA(Low Power Wide Area)対応の無線ネットワークを構築し、CO2濃度を収集する。センサーネットワークとオンラインストレージには「eセンシング for アグリ」(NTT東日本製)を使う。

 神奈川県では豚の飼育戸数が減少している。一方で一戸当たりの飼育頭数は1000頭以上にまで増えており、効率的な豚の飼育方法が求められている。そのため2019年度から、神奈川県養豚協会、神奈川県畜産技術センター、NTT東日本は、温湿度や豚の衛生環境を監視する実証実験を実施してきた。

 これまでの実験では、豚舎をネットワークカメラを使って遠隔監視し、暑熱対策の必要性など温湿度が豚の成育状況を変えることを確認している。今回は、温湿度に加え、CO2濃度を測定する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名臼井農産
業種農林水産
地域神奈川県厚木市(豚舎所在地)
課題豚を高品質かつ効率的に飼育したい
解決の仕組みIoTの仕組みを使い、温湿度管理に加えて、CO2濃度を適切に維持・管理できるようにする
推進母体/体制臼井農産、NTT東日本 神奈川事業部
活用しているデータ豚舎内の温湿度およびCO2濃度、豚の成育状況
採用している製品/サービス/技術CO2センサー、温湿度センサー、LPWAネットワーク、圃場センシングソリューション「eセンシング for アグリ」(NTT東日本製)
稼働時期2021年4月〜2021年9月30日まで(実証実験の実施時期)