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小西医療器、小分け配送に対応する搬送ロボと自動倉庫の連携システムを導入

DIGITAL X 編集部
2021年5月5日

医療用機器・器具を販売する小西医療器は、医療材料の物流拠点において小型の無人搬送ロボットと自動倉庫を連携させたシステムを稼働させた。小分けした商品のピッキングに対応し、保管効率を倍増する。2021年4月20日に発表した。

 シップヘルスケアホールディングス傘下で医療用機器・器具を販売する小西医療器は、大阪府門真市に新設した物流拠点「大阪ソリューションセンター:SC)」において、ピッキング作業の自動化を図るために、小型の無人搬送ロボットと自動倉庫システムを連携し、両者を一括制御することで設備間の全自動化を実現した(写真1)。

写真1:小西医療器が大阪ソリューションセンターで稼働させた自動倉庫と連携する小型無人搬送ロボット「Racrew」

 小西医療器の大阪SCは、「必要なものを、必要なときに、必要な分だけ医療機関に届ける」ための物流拠点。そのために、入荷した医療材料を小分けして管理する。そのために物品の供給・在庫管理・加工などを中央化・外注化するSPD(Supply Processing and Distribution)に取り組んでいる。

 新システムは、小分け管理する数万点の医療材料のピッキング作業を自動化するための仕組み。15台の小型無人搬送ロボットが自動倉庫と連携し、棚から必要な材料をピッキング担当者の手元まで搬送する。これにより手作業によるピッキング作業の作業効率と保管効率をそれぞれ約2倍に向上させる。

 小型無人搬送ロボットには日立インダストリアルプロダクツ製の「Racrew(ラックル)」を採用した。自動倉庫との連携システムは日立製作所が構築した。

 大阪SCではほかに、医療材料を小分けにおける作業ミスを防ぐために、絆創膏1枚から計量できる自動梱包機による重量検品や、RFID(ICタグ)ラベルの自動貼付システムなどを導入し、24時間常時棚卸しを実施し、在庫管理の精度を高めている。

 これらの仕組みは、大阪SCをオープンイノベーション(共創)の場に位置付け、種々の物流関連機器メーカーなど共同で開発する体制を組んでいる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名小西医療器
業種物流
地域大阪府門真市(大阪ソリューションセンター)
課題小分け管理する医療材料を「必要なものを、必要なときに、必要な分だけ」医療機関に届けたい
解決の仕組み無人搬送ロボットと自動倉庫を連携させ、ピッキング作業の効率化を図る
推進母体/体制小西医療器、日立インダストリアルプロダクツ、日立製作所
活用しているデータ受注データ、搬送対象の棚の位置情報など
採用している製品/サービス/技術小型無人搬送ロボット「Racrew」(日立インダストリアルプロダクツ製)、自動倉庫/倉庫制御システム
稼働時期2021年6月(一部医療機関には先行して稼働)