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コマツ、建設現場のデジタルツインを構築・活用するための新会社をNTTドコモらと設立

DIGITAL X 編集部
2021年5月14日

コマツは建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する新会社をNTTドコモ、ソニーセミコンダクタソリューションズ、野村総合研究所と共同で設立することに合意した。コマツが進める「スマートコンストラクション」の次世代版の開発を目指す。2021年4月30日に発表した。

 コマツらが設立する新会社の社名は「EARTHBRAIN」。2021年7月に事業を開始し、コマツが提供する建設現場向けITサービス「スマートコンストラクション」の次世代版を開発し、建設現場で稼働するすべての建機と車両を対象にしたサービスの提供を目指す。海外展開にも取り組む。

 次世代スマートコンストラクションでは、建設現場のデジタルツインを構築する。デジタルツインを活用し、すべての工程を最適に制御できる仕組みを実現し、現場の安全性や生産性、環境性の向上を図る。

 具体的には、建設現場の地形のデジタル化のほか、機械や労務、材料などを一元管理し、安全面・環境面を含めて遠隔からリアルタイムでモニターできるようにする。また、デジタルツインの分析から現場の改善までを可視化するデバイスおよびアプリケーションの開発・実行を加速する。

 EARTHBRAINの資本金は153億7000万円。コマツが54.5%を、NTTドコモが35.5%を、ソニーセミコンダクタソリューションズが5%、野村総合研究所(NRI)が5%を、それぞれ出資した。4社の知見・ノウハウ・技術を持ち寄り次世代版を開発する(表1)。

表1:EARTHBRAINにおける出資各社の役割
会社名役割出資比率
コマツ建設現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指して開発・展開させてきた「スマートコンストラクション」のノウハウ、建設機械に関わる技術、商流面の支援の提供54.5%
NTTドコモデジタルツインの実現に向けた5G(第5世代移動通信システム)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などのネットワークやクラウド基盤、画像解析や未来予測のためのAI(人工知能)技術など各種テクノロジーの提供35.5%
ソニーセミコンダクタソリューションズデジタルツインを構築するためのセンシング技術や、データ収集システムの開発・提供5%
野村総合研究所(NRI)ビジネスモデル変革・デジタル化への知見を生かしたソリューション開発とサービスおよびノウハウの提供5%

 建設業界では、就業者の高齢化や労働人口の減少などが社会的課題になり、働き方改革が求められている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名コマツ
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題就業者の高齢化や労働人口の減少といった社会的課題を抱える建設現場の安全性や生産性、環境性の向上を図りた
解決の仕組み最新のネットワークやセンシング技術を持つ企業と組み、それぞれの知見・ノウハウ・技術を組み合わせて建設業向けITサービス「スマートコンストラクション」の高度化を図るための新会社を設立する
推進母体/体制コマツ、NTTドコモ、ソニーセミコンダクタソリューションズ、野村総合研究所(NRI)
活用しているデータ建設現場の地形や、機械・労務・材料、および安全・環境などのデータを集めた建設現場のデジタルツイン
採用している製品/サービス/技術5G、IoT技術、AI技術、建設現場を可視化するデバイスやデジタルツイン技術
稼働時期2021年7月(新会社の事業開始日)