• UseCase
  • 製造

竹中工務店、スマートビルのためのデータ基盤を機能強化しサービス開発を容易に

DIGITAL X 編集部
2021年6月2日

竹中工務店は、スマートビルを実現するためのデータ基盤に、ビッグデータの取り扱いやAI(人工知能)技術の適用など機能強化を図った。同基盤上でのサービス開発コストの削減や、各種パートナーとの連携を容易にするのが目的だ。2021年5月19日に発表した。

 竹中工務店が構築・運用するのは、建物に関するデータを扱うためのクラウド基盤「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」。建物内の設備やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーなどで取得するビッグデータを扱うのが主な役割だ(図1)。今回、ビルコミ上に開発するサービス開発コストを低減するとともに、外部の開発パートナーの参画を容易にするための機能強化を実施した。

図1:クラウド型データ基盤「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」のシステムアーキテクチャー

 具体的には、リアルタイムなビル設備のモニタリングや遠隔制御のための機能や、BIM(Building Information Modeling)データの取り扱い機能、インターネット標準に準拠したAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の提供機能である。

 これらの機能強化により、種々の利用場面に対応できるスマートビルのためのサービス開発を良いにする。Webサービスやゲーム、ロボットの開発会社などをパートナー企業に位置付けたサービスの共同開発も進め、顧客ニーズに応じたメサービスの提供体制を整備する。顧客向けサービスは、2021年度中に開始したい考えだ。

 機能強化に合わせて、ビルコミを使った実証実験も開始する。人とロボットの共存を目指した実験場である「コモングラウンド・リビングラボ(CGLL)」を使って、CGLLの設備やIoTセンサーなどのデータを取得し、ゲーム用の開発エンジンを使って構築したアプリケーションによる設備の遠隔保守や、ロボット連携などを実証する(図2)。

図2:「コモングラウンド・リビングラボ(CGLL)」でデジタルツインを扱うアプリケーションを実証する
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名竹中工務店
業種製造
地域大阪市中央区(本社)
課題スマートビルのためのサービス開発コストの低減を図るとともに、各種海発パートナーとの連携を容易にしたい
解決の仕組み建物データプラットフォーム「ビルコミュニケーションシステム」にビッグデータ対応やBIMデータの取り扱い、インターネット標準に準拠するAPIといった機能を追加する
推進母体/体制竹中工務店
活用しているデータIoTセンサーなどによるビッグデータ、BIM(Building Information Modeling)で作成された属性データなど
採用している製品/サービス/技術AI/IoT技術、ビッグデータ処理技術、クラウドサービス