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詐欺被害者を支援する米NPO、コンタクトセンターにAIチャットボットを導入
詐欺の被害者を支援する米国の非営利団体なりすまし詐欺対策センター(ITRC)は、コンタクトセンターにAI(人工知能)チャットボットを導入した。被害者への対応を、より迅速にするのが目的。チャットボットを提供した米SASの日本法人が2021年5月19日に発表した。
米国のITRC(なりすまし詐欺対策センター)は、詐欺にあった被害者を支援している非営利団体。今回、被害者対応をより迅速にするために、コンタクトセンターにAI(人工知能)チャットボット「ViViAN(ビビアン:Virtual Victim Assistance Network)」を導入した。
ViViANは、被害者の問い合わせ内容に、人と対話するようにカスタマイズした応答を返す。例えば、被害者が「誰かが私の名前でクレジットカードを作った」「財布(運転免許証、電話、クレジットカード)を失くした」「フィッシング・メールに応答した」「確定申告ができなかった」「誰かが私の名前で失業保険を申請した」などの項目を選択すると、それぞれを解決するための手順を提示する。
ITRCのCEO(最高経営責任者)であるエヴァ・ヴェラスケス氏は、ViViANの導入について、次のように述べている。
「パンデミックの影響であらゆる場所を一斉に襲う、なりすまし詐欺が記録的なレベルで発生した。2020年は、コンタクトセンターだけで1万1000人以上に対応し、Webサイトには110万人が訪れるなど、助けを求める人々が驚くほど大勢いた。これに対応するには、計り知れない労働力が必要になる。チャットボットというアイデアは、人間のアドバイザーに取って代わるのではなく、彼らをサポートし、補強することで被害者を支援する環境を改善するためのものだ」
ViViANは、データ分析プラットフォーム「Viya」(米SAS Institute製)が提供する1機能「SAS Conversation Designer」(同)を使って構築した。
企業/組織名 | 米なりすまし詐欺対策センター(ITRC) |
業種 | サービス |
地域 | 米国カリフォルニア州 |
課題 | コロナ禍で急増する詐欺被害者からのコンタクトセンターへの問い合わせに、より迅速に対応したい |
解決の仕組み | コンタクトセンターにAIチャットボットを導入する |
推進母体/体制 | 米ITRC、米SAS institute |
活用しているデータ | 顧客が選んだ質問項目と、それぞれの解決策 |
採用している製品/サービス/技術 | 「SAS Conversation Designer」(米SAS institute製) |
稼働時期 | 2021年5月18日(米国での導入発表日) |