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会津若松市、蓄電式ソーラーカーポートを都市OSと連携する実証試験

DIGITAL X 編集部
2021年6月7日

福島県会津若松市で、完全オフグリッド型のソーラーカーポートの実証試験が始まった。同市が開発を進める都市OSと連携し、分散電源と電動モビリティをつなぐモジュールとして市内への設置・展開を目指す。実験は、会津コンピュータサイエンス研究所(CSL)とバンブージャパン、会津大学の3者が実施する。会津CSLらが2021年5月25日に発表した。

 福島県会津若松市で実験するのは、系統電力に頼らない完全オフグリッド型のソーラーカーポート(図1)。同市は、スマートシティの実現に向けて、再生可能エネルギーへのシフトと省エネルギー化を推進している。ソーラーカーポートは、EV(電気自動車)や電動キックボードなどの電動モビリティに対し再生可能エネルギーを供給・充電する仕組みとして活用が期待する。

図1:会津若松市で実験する完全オフグリッド型ソーラーカーポートの外観

 実験では、会津若松市がスマートシティのためのデータ連携基盤として開発を進める「都市OS」との連携を図る(図2)。再生可能エネルギーを中心とした分散電源と電動モビリティをつなぐモジュールとして市内を中心に設置・展開するのが目標だ。約2年間の試験研究期間を経て実用化を目指す。

図2:会津若松市の都市OSとの連携イメージ

 ソーラーポートの開発・実証は、会津コンピュータサイエンス研究所(CSL)とバンブージャパン、会津大学の3者が実施する。3者が連携して開発したソーラーカーポートは、発電から充電、放電までの全記録をブロックチェーン技術を使って管理し、トレーサビリティを確立する(図3)。トレーサビリティ管理ができるた蓄電オフグリッド型ソーラーカーポートの開発は、これが世界初だという。

図3:発電・充電・放電のトレーサビリティをブロックチェーン技術で実現する

 トレーサビリティにより、ソーラーパネルの発電量や、蓄電池への蓄電量、EVへの充電量の履歴を記録することで、先入れ・先出しルールに沿ってEVに充電された電力が、いつ、どれだけ発電されたという由来を証明する。

 また蓄電池を制御するためのAI(人工知能)システムも開発した。チップ化を図り、カーポート上で動作させることで、電力制御に最適な構成とし、瞬時の応答性を高める。

 AIチップを搭載する蓄電池とブロックチェーン管理基盤は会津コンピュータサイエンス研究所が、ソーラーカーポートの開発はバンブージャパンが、AIチップの開発は会津大学が、それぞれ担当している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名会津若松市、会津コンピュータサイエンス研究所、バンブージャパン、会津大学
業種公共
地域福島県会津若松市
課題スマートシティにおける再生可能エネルギーシフトを推進したい
解決の仕組み系統電力に頼らない完全オフグリッドでトレーサビリティを確立したソーラーカーポートを設置しEVなどを充電する
推進母体/体制会津コンピュータサイエンス研究所、バンブージャパン、会津大学
活用しているデータソーラーカーポートにおける発電量、蓄電池への充電量、EVなどを充電するための放電量など
採用している製品/サービス/技術完全オフグリッド型のソーラーカーポート(会津コンピュータサイエンス研究所、バンブージャパン、会津大学がブロックチェーン技術やAI技術、半導体技術を使って開発)
稼働時期2021年5月(実証実験の開始時期)