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千代田化工、プラントを対象にしたデジタルツイン基盤を実証実験
千代田化工建設は、プラントを対象にしたデジタルツインを構築・運用するための基盤の実証実験を開始する。そのために基盤ソフトウェアを提供するノルウェーのCogniteと、関連アプリケーションを提供する三菱商事と協業する。3社でプラント向けに外販する。2021年5月27日に発表した。
千代田化工建設は、プラントにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するためのデジタルツイン基盤となる「Mirai Fusion(MF)」を提供する事業を開始する。全体戦略の立案・課題の発掘などのコンサルティングから、既存システムとの統合・連携、アプリケーションのカスタマイズまでを提供する計画だ(図1)。
そのために、国内製油所でMFの実証実験を開始する。千代田化工がAI(人工知能)技術を使って開発したプラントの稼働状況の可視化や故障予知などのためのアプリケーションやサードパーティー製アプリケーションを組み合わせ、プラントでのメンテナンスの効率化や生産性の向上などを可能にする。
MFの事業化および実証実験に向けて、ノルウェーCogniteと、三菱商事と協業する。CogniteがMFの基盤となるデータ統合ソフトウェア「Cognite Data Fusion(CDF)」を提供し、三菱商事はサードパーティ製の各種産業用アプリケーションを提供する(図2)。
CDFは、サウジアラムコやAker BPといった世界のオイルメジャーが利用しちる。例えばAker BPは、オペレーションコストを2022年までに15~18%削減するという目標を掲げ、CDFを使ったデータ活用プロジェクトを進めている。
MFは、顧客の個別ニーズに合わせてカスタマイズして提供する計画だ。そのために大きく3種のアプリケーションを組み合わせる。(1)実装例がある既存のスタンダートアプリ、(2)顧客ごとの課題解決に特化してゼロから開発するカスタムアプリ、(3)事業パートナーが開発し運用実績があるサードパーティーアプリだ。三菱商事は主にサードパーティアプリを提供する。
3社は今後、国内の製油所での実証実験の結果を分析しながら、MFを国内外の製油所やLNG・石油化学プラントなどの産業設備向けに販売したい考えだ。
プラント運営では、既存システムが縦割り構造になっており、各システムが持つデータを連携・統合して利用することが課題になっている。
企業/組織名 | 千代田化工建設 |
業種 | 製造 |
地域 | 横浜市(本社) |
課題 | プラント運営の効率をデジタル技術で支援しする仕組みの事業化を図りたい |
解決の仕組み | グローバルにプラント運営への導入実績があるツールベンダーらと協業し、顧客の個別課題に対応できるデジタルツイン構築用基盤をコアに、コンサルティングから運用までのサービスを提供する |
推進母体/体制 | 千代田化工建設、ノルウェーのCognite、三菱商事 |
活用しているデータ | プラント運営のために導入されている既存システムの各種データやプラントから得られるデータなど |
採用している製品/サービス/技術 | データ統合ソフトウエア「Cognite Data Fusion(CDF)」(ノルウェーCognite製) |