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韓国の自動車技術研究院、自動運転車両の挙動をシミュレートするテスト環境を構築

DIGITAL X 編集部
2021年6月15日

韓国の国立自動車技術研究院(KATECH)は、自動運転システムを検証するためのテスト環境を構築した。実際の都市環境を再現した仮想空間で自動運転車両の挙動をシミュレーションする。仮想環境の構築用ソフトウェアを提供する米MSC Softwareの日本法人が2021年6月1日に発表した。

 韓国の自動車技術研究所(KATECH)は、自動車メーカーとサプライヤーが必要とする技術やテスト環境の開発を支援する韓国の国立研究機関。今回、自動運転車両の制御方法をシミュレーションできる環境を構築した。そこでの研究開発により、自動運転のための基本的な環境データと、韓国での自動運転に関連する認証や法律を支援するためのデータの構築を目指す。

 構築した仮想環境は、大邱(テグ)広域市にある「テグテクノポリス」と「テグ国立工業団地」全体をモデル化したもの。同地域にあるテストラボやテストトラックと同等のシミュレーション環境を構築できたとする。

 仮想環境では、予測困難な行動を取る歩行者や、天候の変化、視界、車両の挙動などを含め、都市の状況をシミュレートする。これにより、自律運転機能を備える車両が、実際の道路状況でどのように機能するかをリアルに近い形で理解できるとしている。

 LiDAR(Light Detection And Ranging)およびレーダーセンサーで捕捉する車両の周辺状況もシミュレーションしており、テスト車両が周囲状況を正しく認識できていないことも検知できるという。

 仮想環境は、「Adams Real Time」と「Virtual Test Drive(VTD)」(いずれも(米MSC Software製)を使って構築した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名韓国自動車技術研究院(KATECH)
業種製造
地域韓国天安市(本部)、大邱(テグ)広域市(仮想の都市環境)
課題自動運転車両の走行テストを実在都市と同様の環境でシミュレーションし、テスト・開発を容易にしたい
解決の仕組み大邱(テグ)広域市にある「テグテクノポリス」と「テグ国立工業団地」全体をモデル化し、シミュレーションのための仮想空間を構築する
推進母体/体制韓国自動車技術研究所(KATEC)、米MSC Software(スウェーデンHexagonのManufacturing Intelligence事業部傘下)
活用しているデータテグテクノポリスおよびテグ国立工業団地全体をモデル化した情報、LiDAR(Light Detection And Ranging)およびレーダーセンサーで捕捉した車両の周辺状況を示すデータ
採用している製品/サービス/技術「Adams Real Time」および「Vairtul Test Drive」(米MSC Software製)