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福岡市、下水道の地下埋設物のレーダーとAI解析技術による可視化を実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年6月28日

福岡市は、地下埋設物を地中レーダー探査技術とAI(人工知能)解析技術を使って可視化するための実証プロジェクトを開始した。埋設管の損傷事故や工事遅延の発生リスクを下げるのが目的だ。地中可視化サービスを提供する日立製作所が2021年6月10日に発表した。

 福岡市は、2021年6月から2022年3月にかけて「地中レーダ等を活用した地下埋設物の検知」に関する実証プロジェクトを実施する。下水道事業で埋設管を設計・施工するための試掘調査において、埋設状況の正確な把握が難しいという課題に対し、レーダーとAI(人工知能)解析技術を使った解決を期待する(図1)。

図1:「地中レーダ等を活用した地下埋設物の検知」に関する実証プロジェクトにおける埋設物可視化の流れ

 一般に試掘調査では、インフラ事業者が図面から埋設物の位置を事前に確認しているが、実際の埋設管の位置が図面と異なっていたり時間的な制約を受けたりすることで、不完全になっているという。

 そこで実証プロジェクトでは、地中の埋設物の位置情報を地中レーダー探査により可視化し、試掘結果と比較して測定精度を検証する。

 可視化には、埋設物情報を2次元と3次元で可視化する「地中可視化サービス」(日立製作所製)を利用する。地下埋設物に関する位置や寸法、属性などの情報を広域かつ高精度に可視化し、埋設管の設計・施工の効率化、埋設管の損傷事故や工事遅延のリスク低減を支援できるという。

 地中可視化サービスの開発で日立は応用地質と協業している。応用地質が持つ3次元地中探査技術と分析ノウハウを、日立のクラウド環境「Lumada」から提供するAI・画像解析技術に組み合わせた。

 福岡市は、民間事業者のアイデアや先端技術を活用して社会課題の解決を目指す「インフラテック」実証プロジェクトに取り組んでいる。「地中レーダ等を活用した地下埋設物の検知」の実証プロジェクトは、そのテーマの1つである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名福岡市
業種公共
地域福岡市
課題下水道事業で埋設管を設計・施工する際の試掘調査では、埋設状況を正確に把握するのが難しい
解決の仕組み3次元地中探査技術とAI・画像解析技術を使って、埋設物の位置や寸法、属性などの情報を可視化する
推進母体/体制福岡市、日立製作所
活用しているデータレーダー探査で得た地中の情報
採用している製品/サービス/技術地中レーダー探査およびAI解析による「地中可視化サービス」(日立製作所製)
稼働時期2021年6月~2022年3月(実証プロジェクトの期間)