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独マインツ大学医療センター、COVID-19関連の管理プロセスをハイブリッドクラウド上に構築

DIGITAL X 編集部
2021年7月13日

独マインツ大学医療センターは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連の管理プロセスをハイブリッドクラウド上に構築した。検査やワクチン接種などの臨床プロセスをデジタル化し円滑にしたという。協業した米IBMが2021年6月22日(現地時間)に発表した。

 ドイツのマインツ大学医療センターは毎年、35万人以上の入院患者と外来患者を診療している(写真1)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する管理プロセスを最適化するために2021年春、3つのツールやアプリケーションをハイブリッドクラウド環境上で稼働させた。

写真1:マインツ大学医療センターの外観

 1つは、医療スタッフ間のコミュニケーションとデータ共有のためのメッセージシステム。セキュリティを確保するために専用に開発した。病院スタッフは患者のデータを閲覧したり、患者の健康状態に関する情報を迅速に交換したりできる。現在は試験的な導入段階にあるが、数カ月後には各診療科をつなぐネットワーク上に展開する予定である。

 2つ目は、COVID-19検査センターのワークフローを診療科ごとに管理するためのモバイルアプリケーション。被験者は検査の予約と検査結果の確認が、検査センターは患者および検査データの管理が、それぞれ可能になる。検査結果は、ドイツのデータプライバシー基準に則って研究所に転送すると同時に、被験者に連絡する。同情報はドイツで運用されているコロナ警告アプリにも自動的に転送される。

 3つ目は、病院スタッフがワクチン接種予約を円滑にするためのアプリケーションである。

 これらのツール/アプリケーションは、クラウドサービス「IBM Cloud Satellite」(米IBM製)を使ったハイブリッドクラウド環境上で構築・運用されている。各種アプリケーション/サービスはクラウド上で実行し、データはオンプレミスのデータセンターで管理する。高度なデータ保護要件に準拠するためである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名独マインツ大学医療センター
業種医療・健康
地域独ラインラント=プファルツ州(マインツ大学医療センター)
課題高度なデータ保護要件に準拠しながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の検査やワクチン接種などの臨床プロセスを円滑にしたい
解決の仕組みハイブリッドクラウドを利用し、アプリケーション/サービスはクラウド上で実行し、データはオンプレミスで管理することで、各種サービスの使い勝手の向上と、高度なデータ保護要件を両立させる
推進母体/体制独マインツ大学医療センター、米IBM
活用しているデータ患者を対象としたCOVID-19に関する検査予約・検査結果の情報など
採用している製品/サービス/技術クラウドサービス「IBM Cloud Satellite」(米IBM製)
稼働時期2021年春(新ツール/アプリケーションの導入日)