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小田急電鉄、地域住民向けスマホアプリのデータ分析基盤をクラウドで構築

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年7月19日

小田急電鉄と小田急エージェンシーは、地域住民向けに提供しているスマートフォン用アプリケーションの利用情報を分析するための基盤をクラウドサービスを使って構築した。データ分析により同アプリの利用率や満足度を高める。クラウドサービスを提供する米オラクルの日本法人が2021年7月5日に発表した。

 小田急電鉄と小田急エージェンシーが提供する「KYOUDOKO(キョウドコ)」は、小田急沿線の店舗と地域住民をつなぐためのスマートフォン用アプリケーション。小田急線・経堂駅周辺で2020年2月から実証実験として提供し、2021年7月5日時点で49店舗、約2000人が利用する。

 このほど、同アプリの利用状況データを分析するための基盤を構築した(図1)。各種のデータ分析により、店舗への来店誘導や住民の満足度向上につなげるのが目的だ。

図1:「KYOUDOKO」のデータを分析するためのダッシュボードの画面例

 データ分析の対象であるKYOUDOKOは、小田急電鉄らがビーコン技術を使うシステム開発などを手掛けるジョージ・アンド・ショーンと共同開発したスマホアプリ。利用者である地域住民は、店舗で開催されるイベント情報などを地図上で見つけられるほか、店舗の「常連(お気に入り)」に登録すれば、店主や他の常連客との情報交換ができる。

 データ分析で知りたいのは、「ファンになり得る潜在顧客がどの程度存在しているか」「ファンとしてフォローしてくれた顧客とのコミュニケーションは適切に活性化できているか」「店舗とファンの会話での最近の重要キーワードは何か」など。これらの分析結果から、店舗と地域住民の関係をより密接にしたい考えだ。

 小田急電鉄 経営戦略部 課長 松田 洋平 氏は、「店舗と住民のコミュニケーションを分析し、コミュニティ活性化の施策に生かしている。KYOUDOKOでの実証実験のノウハウを小田急沿線の持続可能な地域循環型社会の推進に応用していきたい」と話す。

 データ分析基盤は、データ分析のクラウドサービス「Oracle Analytics Cloud」と、データベースサービス「Oracle Database Cloud Service」を含むクラウド基盤「Oracle Cloud Infrastructure」(いずれも米オラクル)を使って構築している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名小田急電鉄
業種交通
地域東京都渋谷区(本社)
課題小田急沿線の店舗と地域住民が参加するコミュニティを活性化したい
解決の仕組み地域コミュニティ向けに提供するスマホアプリのデータ分析基盤を構築し、分析結果を来店誘導や顧客満足度の向上につなげる
推進母体/体制小田急電鉄、小田急エージェンシー、ジョージ・アンド・ショーン、日本オラクル
活用しているデータKYOUDOKOに登録する店舗および住民の利用データ
採用している製品/サービス/技術「Oracle Analytics Cloud」「Oracle Database Cloud Service」「Oracle Cloud Infrastructure」(いずれも米オラクル)