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日本リーテック、伐採木の採寸から報告書の作成まで自動化するアプリを導入へ

DIGITAL X 編集部
2021年7月28日

山岳地での鉄塔建設を手掛ける日本リーテックは、鉄塔建設時に不要になる樹木の伐採で発生する間接業務を自動化するためのAI(人工知能)アプリケーションを現場に導入するための実証実験に着手した。対象になる木の太さや種類をAI(人工知能)技術で判定し、報告書作成までを自動化する。富士通クラウドテクノロジーズと共同で開発する。2021年7月12日に発表した。

 日本リーテックは、電力会社を顧客に、送電のための鉄塔建設や搬入路の設置などを手掛ける企業。鉄塔建設では、対象エリアにおいて建設上不要になる樹木を伐採しなければならない。今回、伐採に伴って発生する間接業務を自動化するために、独自のシステムを開発し、その実証実験を開始した。

 伐採に伴う間接業務とは、地主への補償や伐採費用を算定するための、木の太さの測定や報告書の作成など。これまでは、責任者、測量者、採寸・樹木判定者、記録者の4人が携わり、年間約2万本の伐採調査に、780時間をかけていた。ただ作業者の高齢化などにより、作業工数を削減が求められている。

 実証するシステムは、伐採する木の胸高での直径と樹種の判定、位置情報を記録するためのスマートフォン用アプリケーション。作業者がアプリを起動して伐採木を撮影すると、直径の算出と樹種判定を算出し、スマホのGPS(全地球測位システム)機能を用いた位置情報と共に記録する(図1)。

図1:伐採に伴う間接業務の現状と新システム導入後の比較イメージ

 併せて、報告書作成用のWebアプリも開発した。撮影した画像から必要な画像をWeb画面上で選択すれば報告書が自動で作成される。

 両システムを使えば、関連業務を2人で実施でき、報告書作成までを含めれば工数を従来比で75%削減できると見込んでいる。2022年度から現場に展開する予定だ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本リーテック
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題送電鉄塔建設時に伐採する木の大きさや種類、位置などを記録し、報告書にまとめる必要があるが、そのための工数を削減したい
解決の仕組み伐採木の直径の算出、樹種をAI技術で判定するスマホアプリを開発し、スマホのGPSによる位置情報と共に記録できりようにする。記録したデータから報告書を自動で作成する
推進母体/体制日本リーテック、富士通クラウドテクノロジーズ
活用しているデータスマートフォンのカメラで撮影した樹木の画像、スマートフォンのGPS機能による位置情報など
採用している製品/サービス/技術AI技術(ディープラーニング)
稼働時期2022年度(実証実験後の現場への導入時期)