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三菱商事UBSリアルティ、商業施設の運営状況をデータで把握するための基盤を構築

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年7月28日

三菱商事・ユービーエス(UBS)・リアルティは、運営する日本都市ファンド投資法人が投資する商業施設の状況をデータで把握するための基盤を構築し稼働させた。データを利用し、商業施設運営の最適化や顧客満足度の向上につなげる。2021年7月12日に発表した。

 三菱商事・ユービーエス(UBS)・リアルティは、商業施設の不動産運用に特化した日本都市ファンド投資法人(JMF)を運営している。このほど同投資法人経由で投資する商業施設の売上高や来場者、施設内の回遊データなどを一元管理するためのデータ基盤となる「不動産データプラットフォーム」を構築し運用を開始した(図1)。施設運営の最適化を図ったり、施設を訪れる顧客の満足度の向上につなげたい考えだ。

図1:不動産データプラットフォームのデータ活用のイメージ

 不動産データプラットフォームは、CDP(Customer Data Platform)をベースに種々のデータを一元管理する。具体的には、各施設が顧客に提供するスマートフォン用アプリケーションや、施設が運営するEC(電子商取引)サイトなどから得られるデータだ。これらを分析することで商業施設の運用に利用する。

 施設が提供するスマホアプリは既に、名古屋市のショッピングセンター「mozo ワンダーシティ」が導入。ECサイトは、mozo ワンダーシティと、川崎市にある「川崎ルフロン」が2021年度中に運用を開始する予定だ。

 不動産データプラットフォームのデータや分析結果は、施設運用者やテナント企業に提供する。施設運用者は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使った販促活動の自動化や、外的要因に合わせた設備・警備・清掃などのビルメンテナンス費用や人的コストの削減などに利用できる。

 テナント企業は、扱っている商品の価値をターゲットにする顧客層に訴求できていないといった際に、業態開発の方向性の検討材料など、店舗運営に有益な情報が得られる。

 顧客に対しては、例えばアプリの会員データや回遊データ、ECでの購買データなどの分析結果から、顧客1人ひとりの購買傾向に合わせたメッセージを送信したり、個人の趣味・嗜好に合う商品、新たな生活の提案などで、購買体験の向上を図るとしている。

 不動産データプラットフォームは、三菱商事UBSリアルティが、トレジャーデータと博報堂プロダクツと連携して運用する(図2)。

図2:不動産データプラットフォームは、3者の連携により運用する
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱商事・ユービーエス・リアルティ
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題投資先である商業施設の運営状況をデータに基づいて把握し、最適化策を導き出したい
解決の仕組みCDP(Customer Data Platform)をベースに不動産データプラットフォームを構築し、顧客向けスマホアプリの利用状況データやECサイトの購買データなどを一元管理し、分析に利用する
推進母体/体制三菱商事・ユービーエス・リアルティ、日本都市ファンド投資法人(JMF)、トレジャーデータ、博報堂プロダクツ
活用しているデータ顧客向けスマホアプリの利用状況データ、ECサイトの利用データなど
採用している製品/サービス/技術CDP(Customer Data Platform)
稼働時期2021年7月