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佐久市、伝統文化の小鮒養殖の安定生産に向けIoT使い環境データを取得
2021年7月29日
長野県佐久市は、地元に根付く水田での小鮒の養殖の生産性を安定させるために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを使って養殖環境のデータを取得する。生産性を安定させることで地域文化の伝承を図りたい考え。IoTシステムを提供するNTT東日本が2021年7月13日に発表した。
長野県佐久地域では、1970年代から水田で小鮒を養殖生産している。養殖した小鮒の食文化は、佐久地域において秋の風物詩として根付いている。だが近年は、原因不明の突然死(へい死)や生産者の減少により生産量が不安定になっている。
そこで佐久市は、長野県水産試験場佐久支場とNTT東日本・長野支店と共同で、圃場環境のデータをIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムで収集し、そのデータの分析から、へい死の原因を特定したりデータに基づく小鮒養殖の生産マニュアルを作成したりする(図1)。
圃場にはセンサーを設置し、外気温、水温、溶存酸素の各データを収集する。データはLPWA(Low Power Wide Area Network)規格の通信網を使って15分間隔でクラウドに送信する。
佐久市が、小鮒の生産者と水産試験場の連携を推進し、水産試験場佐久支場が圃場環境データを分析する。NTT東日本はIoTシステムの構築およびデータの蓄積を担当する。
まずは、水田での小鮒養殖期間である2021年6月から2021年8月末までの予定でデータを収集・分析する。その後も複数年継続し、小鮒養殖の生産性の安定化と生産者の省力化を進め、伝統文化の継承を目指す。
データ分析により養殖小鮒の生産量が拡大・安定化できれば、将来的には、小鮒のブランド化や流通を含めたバリューチェーンによる地域の活性化についても検討したい考えだ。
企業/組織名 | 長野県佐久市 |
業種 | 公共 |
地域 | 長野県佐久市 |
課題 | 地域文化である水田での小鮒の養殖において、原因不明の突然死や生産者の減少により、小鮒の生産量が不安定になっている |
解決の仕組み | 小鮒を養殖する圃場の環境データを取得・分析し、突然死の原因特定や小鮒生産の安定化を図る |
推進母体/体制 | 長野県佐久市、長野県水産試験場佐久支場、NTT東日本 |
活用しているデータ | 小鮒を養殖しているほ場の外気温、水温、溶存酸素のデータ |
採用している製品/サービス/技術 | LPWA(Low Power Wide Area Network)、IoT、クラウドなど |
稼働時期 | 2021年6月~2021年8月末(2021年度の予定。複数年の実施を計画) |