• UseCase
  • 流通・小売り

仏カルフール、台湾で展開するECサイトにWeb接客ツール導入し成約率を20%向上

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年7月29日

スーパーマーケット大手の仏カルフールは、台湾で運営するECサイトにWeb接客ツールを導入し、成約率(CVR)を20%ポイント高めたという。購入を迷う顧客に対するクーポン配信などが奏功した。Web接客ツールを導入した台湾Appierが2021年7月13日に発表した。

 仏カルフールは、台湾市場においてECサイトを運営している。今回、AI(人工知能)技術を使ったWeb接客ツールを導入し、購入を迷う顧客に対してクーポンを配信するキャンペーンを実施したところ、商品購入の成約率(CVR)が20ポイント向上。新規顧客のCVRは25ポイント、既存顧客のCVRは15ポイントの増加だった(図1)。

図1:割引キャンペーンの有無による新規顧客と既存顧客のCVRの比較

 カルフールでEコマースプロジェクトマネージャーを務めるジェス・ファン氏は「すべてのユーザーにクーポンを配信することによる利益の圧迫を回避し、小売業者の運用上の問題点を解決した。リターゲティング広告を戦略の中心に据えたことで、当社は顧客を獲得し、結果的にマーケティング予算の配分を改善できた」と話す。

 カルフール実施した施策は大きく3つ。1つは、購買力の高い潜在顧客への注力だ。「料理」「パーティー」「大型スーパー」など購入シーンに関連した興味・関心を組み合わせて顧客をフィルタリングしたうえで、「過去30日以内に登録した新規会員のユーザープロファイルおよび興味・関心」をAI技術で分析した(図2)。これにより無駄な広告を減らし広告のクリック率(CTR)を高めた。

図2:AI技術を使った顧客フィルタリングのイメージ

 2つ目は、より購買力の高い顧客の予測。ECサイトの訪問者の行動をAI技術を使って分析することで、広告のリターゲティング精度を高めCTRの向上につなげる。

 3つ目は、新規・既存のECサイト会員に焦点を当てたクーポン配信。繁忙期には売り上げの強化に、閑散期には消費の刺激につなげ、コスト管理と販売促進の効率化を図った。

 カルフールが導入したWeb接客ツールは「Appier」(台湾Appier製)である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名仏カルフール
業種流通・小売り
地域台湾(カルフール台湾)
課題ECサイトにおける顧客の獲得単価や広告配信のコストを最適化したい
解決の仕組みWeb接客ツールを導入し、購買力の高い潜在顧客に絞り込んだクーポン配信などの施策を打てるようにする
推進母体/体制カルフール台湾、台湾Appier
活用しているデータECサイトの会員情報および行動履歴など
採用している製品/サービス/技術Web接客ツール「Appier」(Appier製)
稼働時期--