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レストラン経営のクリレスHD、売り上げ予測や顧客データ分析などをソフトバンクとのパートナー契約で加速

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年7月30日

レストラン経営のクリエイト・レストランツ・ホールディングス(クリレスHD)は、グループが展開する飲食店のデジタル化を推進する。顧客満足度の向上や業務効率を高めるのが目的だ。そのためにソフトバンクとパートナー契約を2021年7月14日に締結した。同日に発表した。

 クリエイト・レストランツ・ホールディングス(クリレスHD)は、約250ブランド、約1000店舗の飲食店をグループ展開する企業。「雛鮨」「磯丸水産」などがある。これらグループが展開する飲食店のデジタル化に着手し、顧客満足度の向上や、店舗の運営やマーケティングの効率化を図りたい考え。

 そのためにソフトバンクとパートナー契約を結んだ。ソフトバンクグループが提供するサービスや技術を利用する。具体的には、(1)AI(人工知能)技術を使った売上予測、(2)顧客データの分析基盤の構築、(3)店舗運営の省人化、(4)バックオフィス業務の効率化などを推進する。

 売上予測では、AI技術を使うことで、従業員の経験や勘に依存していた予測の精度を高め、従業員のシフト調整や食材の発注量の最適化を図る。各店舗の過去の売り上げデータに、ソフトバンクグループが保有する人流データや気象データなどを加味して予測できるようにする。

 顧客データの分析基盤は、顧客1人ひとりの趣味・嗜好に合わせたマーケティング活動に利用する。会員向けサービスやアプリなどからデータを取得し分析する。ソフトバンクグループのYahoo! JAPANやLINEを使ったメニューやクーポンなどの配信も検討する。

 店舗運営の省人化に向けては、セルフサービス型店舗の開発を検討する。来店受付やテーブル案内の自動化、セルフサービスのオーダー/会計システムの導入、配膳ロボットの活用などを推進する。コロナ禍にあって、顧客と従業員の接触機会を減らし安全性を高めると同時に、店舗運営の人手不足を解消したい考えだ。

 バックオフィス業務の効率化では、業務プロセスを整理し課題を可視化したうえで、RPA(Robotic Process Automation)などを導入する。店舗やブランド間での業務プロセスの標準化にも取り組む。ソフトバンクが社内で推進している4000人分相当の業務効率化プロジェクト「デジタルワーカー4000プロジェクト」のノウハウを利用するという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名クリエイト・レストランツ・ホールディングス
業種流通・小売り
地域東京都品川区(本社)
課題グループが展開する飲食店の業務効率化するとともに、顧客の満足度を高めたい
解決の仕組みソフトバンクとパートナー契約を締結し、同社の技術を使った売上予測システムや顧客データの分析基盤の構築などに取り組む
推進母体/体制クリエイト・レストランツ・ホールディングス、ソフトバンク
活用しているデータ売上・人流・気象・顧客データ、従業員のシフト情報など
採用している製品/サービス/技術AI、RPA、ロボット
稼働時期2021年7月14日(ソフトバンクとのパートナー契約の締結日)