• UseCase
  • 製造

三菱地所、東京・丸の内エリアにローカル5G環境を構築し複数社との実証実験へ

DIGITAL X 編集部
2021年8月10日

三菱地所は東京・丸の内エリアにローカル5G(第5世代移動通信システム)環境を構築し、未来のまちづくりに向けた実証実験を開始する。実験には、複数社と、それぞれのテーマを定めて取り組む。2021年7月20日に発表した。

 三菱地所は、ローカル5G(第5世代移動通信システム)環境を構築し、各種実証実験を開始する(図1)。5Gの整備・活用検討を通じて、新しいオフィスサービスや来街者向けサービス、災害時のインフラやビルの効率的な管理など、まちづくりの未来を探るという。

図1:ローカル5Gの整備拠点と活用(実証実験)イメージ

 ローカル5Gの敷設エリアは、大手町パークビルの三菱地所本社内と、丸の内仲通りビルの三菱地所プロパティマネジメント本社内、東京ビルのガレリア、丸の内ビルのマルキューブ、三菱一号館美術館、大手町仲通り、TOKYO TORCH Park(図2)。

図2:ローカル5Gの敷設マップ

 丸の内ダイレクトアクセス(MDA)が構築済みの光ファイバーネットワークを活用。MDAのデータセンターに親局を設置し、丸の内エリアに子局を設置する計画だ(図3)。ローカル5G環境の設置時期は、2021年12月~2022年11月を予定する。

図3:ローカル5Gの親局と子局の設置概念

 このローカル5Gを用いて三菱地所は、種々の企業や大学、団体と共同で各種実証実験を実施する(表1)。ロボットの遠隔操作や、XR(xReality)技術による会議、eスポーツ、遠隔ショッピング体験、美術館の遠隔鑑賞などの検討している。

表1:ローカル5G環境を使った実証実験のテーマ案
協業先テーマテーマの内容
JCGスポーツ大会開催などの検討・eスポーツ分野において5G技術を活用した大会運営配信の検証や企業間eスポーツイベントの開催などを実施
SEQSENSE(シークセンス)警備ロボット「SQ2」の機能向上の検討・5Gネットワークを活用した警備ロボットサービスの機能向上に関する検討を実施
デロイト トーマツ グループ位置情報解析やドローン制御に関する検討・位置情報を活用した避難行動の最適化
・脅威・脆弱性分析とセキュリティ対策の効果検証
・ドローン制御コンテストを通じた5G遠隔操作技術検証
凸版印刷新たな遠隔鑑賞やオフィス・会議像の検討・遠隔からの臨場感のある鑑賞
・イベント参加体験の提供
・遠隔地とのリアルな空間や五感の共有を通じた就労環境・遠隔会議の高度化
・リアルタイム画像やコンテンツ情報と連携した高機能なサイネージの検討
野村総合研究所(NRI)4K高画質通信の利活用やVR会議の検討・遠隔からの臨場感のある鑑賞体験
・高精細映像と店員との双方向コミュニケーションによる遠隔ショッピング体験
・高精細映像とVR(仮想現実)による没入感を高めた遠隔会議
・高精細映像とAI(人工知能)技術による人流解析とマーケティングへの活用
・他拠点ローカル5Gインフラとの遠隔接続に関する技術検証および性能検証
三菱一号館美術館遠隔鑑賞の検討・学校などの遠隔地から美術鑑賞体験ができるプログラムや教育普及活動の現場での活用の検討
三菱電機多用途ロボット・遠隔操作機器などの検証・搬送・テレプレゼンスなどの多用途ロボットの遠隔制御および遠隔操作
・機器の遠隔操作による人的精密作業の代替検討

 今後は、テナント企業だけでなく、TMIP(Tokyo Marunouchi Innovation Platform)などの会員組織をはじめ、企業や大学、団体などと連携した実証実験も実施する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱地所
業種サービス
地域東京・丸の内エリア
課題新しいオフィスサービスや来街者向けサービス、災害時のインフラやビルの効率的な管理など、まちづくりの未来を探りたい
解決の仕組み東京・丸の内エリアにローカル5G環境を構築し、企業や大学、団体と共同でローカル5Gを活用するアプリケーションの実証実験を実施する
推進母体/体制三菱地所、凸版印刷、デロイト トーマツ グループ、野村総合研究所、JCG、三菱電機、SEQSENSE(シークセンス)、三菱一号館美術館
活用しているデータ人の位置情報、高精細映像など
採用している製品/サービス/技術ローカル5G、光ファイバーネットワーク
稼働時期2021年12月~2022年11月(ローカル5G環境の構築・運用の予定時期)