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四国化工機、豆腐を検品し不良品を取り除くAIシステムを本稼働

DIGITAL X 編集部
2021年8月16日

充填包装機や同機械を使った豆腐の製造を手掛ける四国化工機は、豆腐の割れや欠けをAI(人工知能)技術を使って判定・検品するシステムを開発し、2021年6月に稼働させた。システムを構築を支援した日本IBMとともに2021年7月28日に発表した。

 四国化工機が開発した「STI-ALPS(Shikokukakoki Tofu Inspection – AI Line Picking System」は、豆腐製造において、その割れや欠けをAI(人工知能)技術を使って判定・検品し不良品を製造ラインから自動で取り除くためのシステム。新設した阿南食品工場新棟で2021年6月に稼働させた。

 STI-ALPSでは、大量の画像データをAIシステムに学習させ、良品・不良品の特徴をモデル化した。また複数のカメラを使って豆腐を撮影することで、上面・側面・底面に加え、分割パックの内側も検査する。

 検品業務はこれまで、1ライン3人体制による目視で実施しており、負荷が高く長年の経験が必要だった。STI-ALPSの導入により、検品業務の無人化が可能になり、作業の速度・精度の向上、品質の安定、コスト削減を期待する。

 STI-ALPSを稼働させた阿南食品工場新棟は、スマートファクトリー化を推進するための工場。複数のロボットや無人搬送フォークリフトを備えるほか、全機器の状況を一元管理するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを導入している。

 今後は、STI-ALPSとロボット/無人搬送フォークリフトを連動し、不良品を排除した後の良品だけを箱詰めし、冷蔵倉庫へ移動するまでの作業の省人化を進める。

 STI-ALPSは、AIシステムの開発・実行環境「IBM Maximo Visual Inspection」を使って開発した。コーディングや専門的なスキルなしにブラウザ操作で開発できるとしている。Maximo Visual Inspectionは、AIシステムの実行に適したサーバー「IBM Power System AC922/IC922」上で動作させている。

 四国化工機らによれば、豆腐業界は原材料の値上がりや後継者不足などにより個人商店から広域流通に対応できる企業に集約させる流れが顕在化している。加えて2020年に国の基準が改正され国内での常温流通が可能になったことで、無菌充填豆腐の製造技術を持つ四国化工機への需要が増加していた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名四国化工機
業種製造
地域徳島県阿南市(阿南食品工場新棟)
課題豆腐の検品業務の自動化・省人化を図りたい
解決の仕組みAIシステムにより豆腐の上面・側面・底面に加え、分割パックの内側も検査し、不良品を製造ラインから自動的に取り除く
推進母体/体制四国化工機、日本IBM
活用しているデータ複数カメラで撮影した豆腐の画像
採用している製品/サービス/技術AIシステムの開発・実行環境「IBM Maximo Visual Inspection」、サーバー「IBM Power System AC922/IC922」(いずれも米IBM製)
稼働時期2021年6月