• UseCase
  • 医療・健康

国保旭中央病院、ヘルスケアサービスのための情報基盤を構築へ

DIGITAL X 編集部
2021年8月20日

千葉県旭市にある総合病院 国保旭中央病院は、ヘルスケアサービスのための情報基盤の構築に着手した。日本IBMとともに、デジタル技術を活用して駆動する「スマートホスピタル構想」の実現を目指す。2021年8月2日に発表した。

 千葉県旭市にある総合病院 国保旭中央病院が構築するのは、既存システムと連携しながら、情報を柔軟に活用し、患者および他産業とデジタル技術でもってつながるための情報基盤。同基盤を活用し、保険給付のデジタル化や、病院業務の効率化、患者の利便性の向上などに取り組む。

 同病院は現在、デジタル技術を活用する「スマート・ホスピタル構想」を打ち出している。同構想を吉田 象二 理事長は、こう説明する。

 「デジタル化は距離や空間、時間という制約から開放されるという力があり、デジタルトランスフォーメーション(DX)は医療の進歩にも大きな貢献が期待されている。一方で、基盤整備はまだ不十分であり、デジタルに強い人材も不足しているという課題がある。当院は、デジタルサービスの社会実装を推進することで、こうした課題解決へ積極的に取り組み、地域・社会への貢献に注力していく」

 第1弾として、民間保険会社への保険給付に必要な診断書・証明書の発行をデジタル化するサービスを開発する。保険給付の受ける患者は、診療データの入力が容易になるほか、紙による申し込みや受け渡しなどが省略できるようになる。

 医療機関においても、患者との手続きの簡略化および必要なデータをデジタルで入手できることによる事務の効率化や業務の最適化を図れる。将来的には保険会社と連携し、給付側の業務効率の向上や給付に必要な時間短縮などの効果が見込まれる。

 国保旭中央病院は現在、「IBM Clinical Information System」を活用した電子カルテシステムを利用している。情報基盤は、パブリッククラウド「IBM Cloud」上に構築し、電子カルテシステムなどと安全に連携できる仕組みにする考えだ。

 今後は、各種サービスを国際標準規格「FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)」に準拠させ、共通サービスとして利用できるよう検討する。構築した情報基盤や、そこでのサービスは、国保旭中央病院以外の医療機関や保険会社向にも提供することも検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名総合病院 国保旭中央病院
業種医療・健康
地域千葉県旭市
課題地域と連携しながらヘルスケア関連サービスの充実を図りたい
解決の仕組み柔軟な情報活用と、患者および他産業とのデータ連携を可能にする情報基盤を構築する
推進母体/体制国保旭中央病院、日本IBM
活用しているデータ診療データ、保険給付に必要とされる診断書・証明書の作成に記載する情報など
採用している製品/サービス/技術パブリッククラウド「IBM Cloud」(IBM製)
稼働時期2021年8月1日(情報基盤の構築に着手した日)