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富良野市、スマートシティの推進に向け北大・日本オラクルと連携

DIGITAL X 編集部
2021年8月25日

北海道富良野市はスマートシティ推進施策の立案に向けて、北海道大学と日本オラクルと連携する。市の課題解決に向けた施策を、北大の博士課程の学生がオラクルのクラウドサービスを使ったデータ分析を通じて提案する。2021年8月11日に発表した。

 北海道富良野市は、スマートシティに向けた施策を推進する。そのために北海道大学と日本オラクルと連携し、市が提示する課題に対する解決策を募る。

 まず富良野市が提示する課題は、(1)「ふらのワイン」の販売増と(2)カーボンニュートラルへの取り組みの2つだ。

 ふらのワインはこれまで、道内の主要都市を中心に販売してきた。それが最近は、観光客の減少や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から低迷し、市外や道外への販路開拓が必要になっている。

 今回の連携では、富良野市が蓄積している販売データの分析と、店舗・飲食店などの視察結果から、コアなファン層の発掘や効率的な販売策を策定し、事業の収益向上と地元農家の雇用維持、地域産業の持続化につなげたい考えだ。

 一方のカーボンニュートラルにおいては、市内のゴミのリサイクル率が90%と高水準なものの、一定量の不適切なゴミの分別が課題になっている。これに対し、市内に約600カ所ある資源回収ステーションが持つ曜日・品目別の回収データの分析や現地視察/ヒアリングをもとに、不適切な分別の発生率を低減する施策を策定したい考えだ。

 3者の連携において北大は、ワークショップ「博士課程DX教育プログラム:北海道富良野市のスマートシティ推進支援」を2021年8月30日からの6カ月間に計6回実施する。博士課程の学生を対象にした教育プログラム「スマート物質科学を拓くアンビシャスプログラム」の履修科目に位置付ける。

 日本オラクルは、ワークショップの参加学生に対し、データ分析のためのクラウド環境を提供するとともに、デジタル技術の利用およびデータ分析に関するコーチング/トレーニングを提供する。クラウドサービスとしては、「Oracle Autonomous Data Warehouse」や「Oracle Analytics Cloud」などを用意する。

 富良野市は今後、ワークショップから導き出された施策案を参考に、課題解決に向けた実証実験の実施を検討していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名北海道富良野市
業種公共
地域北海道富良野市
課題富良野市のスマートシティに向けた取り組みとして、まずはふらのワインの販売増とカーボンニュートラルへの取り組みを推進したい
解決の仕組み北海道大学と日本オラクルと連携し、博士課程の学生が富良野市が持つデータを分析し、課題解決に向けた施策を立案する
推進母体/体制北海道富良野市、北海道大学、日本オラクル
活用しているデータふらのワインの販売データおよび市内約600カ所の資源回収ステーションのゴミの回収データなど
採用している製品/サービス/技術「Oracle Autonomous Data Warehouse」「Oracle Analytics Cloud」など(いずれも米Oracle製)
稼働時期2021年8月30日(ワークショップの開始時期)