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大阪府枚方市、スマート街路灯による来店客予測でフードロスを最大9割削減できる可能性を確認

DIGITAL X 編集部
2021年8月27日

大阪府枚方市は、フードロスの削減を目的に実施した、スマート街路灯が持つネットワークカメラで得られる人流データから小売店舗の来客数および販売数を予測する実証実験の結果を公表した。人流データを分析したNECが2021年8月17日に発表した。

 大阪府枚方市が実施したのは、パンの製造小売店における売れ残りによる廃棄数を減らすために、来店客数/販売数を予測するもの。来店客数/販売数の予測に、スマート街路灯が持つネットワークカメラで得られる画像の分析による人流データを利用した(図1)。

図1:人流分析に利用したスマート街路灯の外観

 実験は同市大垣内町でパンを製造・販売する九十九堂本舗で2021年3月から5月にかけて実施した。九十九堂本舗はこれまでも、販売傾向や在庫数、天候に基づいて製造責任者が製造数を決めていた。今回は人流データのほか、過去の客数・販売数、天気情報、カレンダー情報を加え、AI(人工知能)技術で需要を予測した。

 3月18日から5月10日にかけて各種データをAIシステムで学習・分析。そのデータに基づいて5月11日から20日まで、客数と販売数を予測した。いずれもNECが担当した。

 結果、過去データに対して予測結果からパンの納品数を調整すると仮定したシミュレーションではあるものの、売れ残りによる廃棄数を従来実績から最大9割程度削減できる可能性があることを確認したという。

 なおカメラ画像の解析には、人物像分析システム「FieldAnalyst」(NECソリューションイノベータ製)を使い、通行者の人数・属性(性別・年代)を分析した。

 今回の実証実験は、枚方市とNECが2021年3月に締結した「スマート街路灯の実証実験に関する協定」に基づくもの。NECは今後、人流データの活用について仮説検証を行いながら、具体的なサービスの実現を目指すとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大阪府枚方市
業種公共
地域大阪府枚方市大垣内町(九十九堂本舗)
課題フードロスを削減する仕組みをつくりたい
解決の仕組み小売店舗付近の人流データおよび過去の客数・販売数などの情報から需要を予測し、製造/納品数を調整する
推進母体/体制大阪府枚方市、NEC
活用しているデータスマート街路灯のカメラから取得した人流データおよび過去の客数・販売数、天気情報、カレンダー情報など
採用している製品/サービス/技術ネットワークカメラを搭載したスマート街路灯、人物像分析システム「FieldAnalyst」(NECソリューションイノベータ製)
稼働時期2021年3月~5月(実証実験の期間)