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日本特殊陶業、生産設備の稼働率をIoTデータの可視化で改善

DIGITAL X 編集部
2021年8月30日

セラミック製品を手がける日本特殊陶業は、生産設備の稼働率を改善するために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)データをBI(Business Intelligence)ツールを使って可視化する仕組みを構築し活用している。BIツールを提供するウイングアーク1stが2021年8月19日に発表した。

 日本特殊陶業は、生産の安定化および稼働率の向上を目的に、工場のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)化を推進している。2021年3月からは、データ集計・検索用のデータベースエンジンとダッシュボード機能を提供するBI(Business Intelligence)ツールを導入することで、生産設備の稼働率をリアルタイムに可視化し、問題発生時の早期の原因特定と詳細把握によって生産設備の稼働率を高めている(図1)。

図1:日本特殊陶業が導入しているダッシュボードの画面例

 これまでは、IoTデータの収集と加工に時間がかかり、データを十分に活用・分析できていなかった。生産設備に問題が発生した際も、その原因の特定と詳細の把握に時間がかかることが課題になっていた。

 BIツールの導入に向けては、各生産設備のデータ規格を統一し、IoTデータの収集・分析に備えた。現在は、生産現場にあるBIツールのダッシュボード機能により生産状況をモニター表示し、詳細な分析が必要なときはデータベースエンジンが持つレポーティングツールを使ってデータを深掘りしている。

 可視化した各種データは、現場の管理職と担当者のそれぞれが参照しており、データから原因を特定できる環境の整備を続けている。ツールの操作方法についても関するレクチャーを継続的に実施することで、導入部門全体の約70%がツールを利用しているという。

 日本特殊陶業が導入したデータベースエンジンは「Dr.Sum」(ウイングアーク1st製)とBIツールの「MotionBoard」(同)。従業員が使い慣れている表計算ソフト「Excel」のインタフェースでデータを分析できリアルタイムに可視化できる点を評価したとしている。

 今後は、データ取得の規格を標準化し、他部署や海外拠点にも両ツールを導入することを検討している。品質関連データや機器保全用データの活用も視野に入れる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本特殊陶業
業種製造
地域名古屋市瑞穂区(本社)
課題IoTデータの収集と加工に時間がかかりデータを十分に活用・分析できていない
解決の仕組みデータの集計・検索用エンジンとBIツールを導入し、設備の稼働状況をリアルタイムに可視化できるようにする
推進母体/体制日本特殊陶業、ウイングアーク1st
活用しているデータ生産設備の稼働データなど
採用している製品/サービス/技術BIツール「Dr.Sum」と集計・検索エンジン「MotionBoard」(いずれもウイングアーク1st製)
稼働時期2021年3月