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ドラッグストアの薬王堂、購買データと肌診断結果を組み合わせる化粧品レコメンドエンジンを開発へ

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年9月2日

東北6県でドラッグストアを展開する薬王堂は、顧客1人ひとりの肌に適した化粧品を提案するために、自店舗の購買データと肌診断の結果を組み合わせるレコメンドシステムを開発する。スマートフォン用アプリケーションに2021年中に搭載する計画だ。システムを開発するNoveraが2021年8月25日に発表した。

 ドラッグストアを展開する薬王堂が開発する「AIレコメンドエンジン」は、顧客1人ひとりの肌に適した化粧品をレコメンド(お薦め)するためのシステム。東北6県で展開する339の店舗取得した170万人の購買データや顧客情報と、顧客に提供しているスマートフォン用の公式アプリケーションを使った肌診断データをAI(人工知能)技術で分析し、相性の良い化粧品を提案する。スマホアプリに2021年内に実装する予定だ。

 肌診断データは、2021年8月26日に刷新した公式アプリに搭載した「AI肌診断」機能で取得する。AI肌診断は、スマホのカメラで写した顔の画像から肌の状態を、シワ、キメ、シミ、透明感、うるおい、毛穴、肌質の7項目に分けて評価する。

 AIレコメンドエンジンとAI肌診断の開発には、美容関連技術を開発するNoveraの技術を採用した。例えば、AIレコメンドエンジンでは、顧客自身の肌データと、他の顧客の肌データを照らし合わせることで、より相性の良い化粧品を検索しているという。

 Noveraの技術について、薬王堂 取締役常務執行役員 経営戦略本部長の西郷 孝一 氏は、「Noveraの肌診断は、肌診断AIに美容のプロの知見が搭載されていることや、肌状態をもとにした化粧品レコメンドの特許を取得している点など、ほかにはない技術力を持っていることに可能性を感じる。そこに当社で培った購買データをかけ合わせることで、よりユーザーが共感できるようなレコメンドエンジンを開発していきたい」と話す。

 なお薬王堂の公式アプリには、歩数計の機能も追加した。5万歩ごとにくじ引きができ、当たればクーポンなどが付与される。同機能で取得した行動履歴データもAIレコメンドエンジンの分析対象にする。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名薬王堂
業種流通・小売り
地域岩手県紫波郡(本社)
課題顧客1人ひとりの肌に適した化粧品を提案し、顧客満足度を向上させたい
解決の仕組み肌診断データと購買データを組み合わせて相性の良い化粧品を提案するレコメンドエンジンを開発する。肌診断データを取得するために公式アプリに肌診断機能を先行して実装する
推進母体/体制薬王堂、Novera
活用しているデータ購買情報、顧客情報、行動履歴、肌診断のデータ
採用している製品/サービス/技術「薬王堂公式アプリ」(薬王堂)、AI肌診断およびレコメンドエンジン(Noveraが開発)
稼働時期2021年内(AIレコメンドエンジンの実装時期)